ヴィタリック氏が語るイーサリアムの将来:ミートアップ参加レポート

イーサリアム財団が日本で初後援したミートアップ
イーサリアムの考案者、Vitalik Buterin氏などが登壇し、『イーサリアムの将来』と題して2018年の予定とイーサリアムの今後2、3年の方針について話しました。

Ethereum Japan Community Meetup #1 参加レポート

2018年3月28日、『Ethereum Japan Community Meetup #1』にCoinPost編集部も参加致しました。

今回のイーサリアムのミートアップではイーサリアムの考案者、Vitalik Buterin氏(以下Buterin氏)、並ぶにイーサリアム財団の宮口氏、ロジャー・バー氏など豪華な顔触れが東京大学の伊藤国際学術センターに揃いました。

イーサリアムを当時19歳(2018年3月現在24歳)で考案したCo-founderのButerin氏は『イーサリアムの将来』と題して2018年の予定とイーサリアムの今後2、3年の方針について話しました。

イーサリアムのPoWからPoSへの移行

プレゼンテーションの初めにヴィタリック氏は問題提起としてPoWの非効率的な点や現在のイーサーの1秒あたりのトランザクション数の低さ(2018年3月現在1秒間あたり15トランザクション)を挙げました。

現在も多くのブロックチェーンはPoWにより保管されているがその問題点として誰が本当の人間で誰がVM(仮想機械)であるか識別できない点を挙げPoSは人である証明をユーザーに強いると主張しました。

その他にもPoWはコスト面で非効率的でしかも大量のハードウェアが必要である反面、PoSの方は効率的にコンセンサスが取れ、非中央集権型のネットワークを保てると述べました。

Casper FFG

Casper FFGはイーサリアムのハードフォークで今後イーサリアムを使用し続けるにはCasper FFGへの移行が必須であると発表しました。

現在Casper FFGはPoSとPoWのハイブリッド型ですがヴィタリック氏は今後完全にPoSに頼ったCasperにアップデートする予定である事を発表しました。

PoSに移行するメリットとしてセキュリティー、コスト削減やマイニングの初めやすさ等を挙げました。

Plasma

Plasmaは既存のイーサリアムのメインブロックチェーンの上にセカンドレイヤーシステムです。

Plasma使用によってスケーラビリティ上昇し、メインチェーンにつながらないがPlasmaチェーンのおかげでハックや問題があったとしても資産をイーサーに戻し被害を受けずに済むことができると紹介しました。

Sharding

Shardingは以前からあるコンセプトで、例としてヴィタリック氏は動画投稿サイトにアップされる動画ファイルが全てのサーバーではなく1つのサーバーに貯蔵される事を挙げ、この手法をイーサリアムのブロックチェーンに導入する事によりスケーラビリティを上昇する事ができると主張しました。

ヴィタリック氏によるとCasper FFGやPlasma等はあくまでイーサリアムがスケーラビリティを上昇するための1つの手段である事に過ぎないと強調し優れた機能を持っていても全ての問題を解決できるシステムは無いと述べました。

そしてミートアップ終了後はコインポスト編集部も短くですがイーサリアムの創始者であるヴィタリック氏に質問しました。

Vitalik Buterin氏に対する質問と回答

なぜ独自のコード言語を採用したのでしょうか?またその利点、もしくは欠点は何でしょうか?

我々がブロックチェーンには独自のコード言語が必要だと思うのには幾つか理由があります。

まず第一は完全な決定論、つまり言語が毎回同じ効果を発揮するという点です。

次に実行と監査を簡潔にする為に仮想機械のコードサイズが小さい必要があるからです。

例えば、小さいCのプログラムでも4KBくらいは容量があります。

これは普通のパソコンに存在するアプリケーションとしては問題無いのですが、ブロックチェーンの中で全てのユーザーがそれを貯蔵しなければならないとなると話は別です。

そして第三の理由はセキュリティーです。

初歩的なプログラミング言語(C, C++, Go等)は総じてそうなのですが、整数オーバーフロー等の紛らわしい間違いをしやすいです。

Solidityも年々、特にここ6ヶ月は品質が向上していますがそれでも既存の言語にまだ似ていて安全面で劣る部分があります。

Vyperもそういう点はありますがEthereumではさらに安全面を追求した独自の言語を開発中です。

まとめ

イーサリアムは以前からPoWからPoSに移行する旨を発表していましたが今回更にPoSへの移行を進めている印象を受けました。

また改善点であるスケーラビリティも、今後はさらにCasper FFGやPlasmaのアップデートの研究が進んでいくでしょう。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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