LINEがブロックチェーン業界参入を正式に発表|2018年は大手企業参入の年になるか
- LINEがブロックチェーン事業に本格参入
- LINEが子会社Unblockを立ち上げ、ブロックチェーン事業に参入することを正式に発表しました。LINEは1月に金融事業を提供する子会社LINE Financialを立ち上げたばかりで、フィンテック・ブロックチェーン業界へ急速に参入を進めています。
- LINEライバルのKakaoも早くから仮想通貨事業に着手
- LINEのライバル企業である韓国のKakaoは韓国国内のフィンテック業界で圧倒的なシェアを誇っていました。Kakaoは自社のブロックチェーンプラットフォームをアジア全体に普及させようと取り組んでいます。
- 2018年は大手企業が続々と仮想通貨業界に参入する?
- 日本国内では大手銀行や大手IT企業も仮想通貨業界に続々と参入しています。さらに、最近まで仮想通貨に敵対的だったJPモルガンやゴールドマンサックスも仮想通貨事業に関心を示しています。
LINEが仮想通貨事業に参入
4月2日、LINEがブロックチェーン事業に参入することを正式に発表しました。
子会社としてUnblockというブロックチェーン事業を行う企業の立ち上げを計画しています。
まだ具体的なサービス内容は明らかになっていませんが、1月28日には金融事業拡大に向けて、仮想通貨取引所の運営も視野に入れた新規会社LINE Financialの立ち上げを発表したばかりです。
Unblockの代表にはブロックチェーン技術を運用した広告サービスを手掛けるAD4thの共同代表を招聘し、5月には野村ホールディングスと共同出資で設立した新会社で証券ビジネスをスタートする予定です。
LINEはすでにアプリで2億4000万人のユーザーをかかえ、決済サービスLINE Payだけでも3000万人以上という巨大な市場を獲得しています。
現時点で獲得している市場規模の大きさや、仮想通貨事業に関して先進的な制度を打ち出している日本や韓国に基盤を置いていることから、仮想通貨情報メディアから大きな注目を集めています。
まだ大きな動きはなく、構想の発表と大まかな計画が発表されているだけですが、市場への影響を考えると、今後の動向に注目していく必要があるでしょう。
ライバルKakaoは早くから仮想通貨事業に着手
LINEはもともとは、社名にもあるそのチャットアプリの開発を手掛けていた日本企業を韓国の大手IT企業Naverが子会社化したものです。
韓国や日本などアジアで約240万人以上のユーザーを獲得しています。
そんなLINEのライバルとしてこれまで度々話題になっていたのが、韓国に拠点を置きチャットアプリKakao Talkを運営しているIT関連企業Kakaoです。
LINEよりも早くサービスの運用を開始し、日本でのユーザー数こそ劣りますが、韓国では人気ナンバーワンの通話アプリとして幅広い年代のユーザーが使用しています。
一説にはKakao Talkとその決済サービスであるKakao Payの利用者数は韓国国内のフィンテック市場の実に90%を占めているともいわれているのです。
Kakaoが市場拡大のために先んじて取り組んでいたのが、仮想通貨関連業でした。
Kakaoはすでに3月の初頭に正式に仮想通貨事業に参入することを発表していました。
仮想通貨事業に関しては、すでにブロックチェーンプラットフォームグラウンドXの開発に着手しています。
専門家の情報によれば、2018年の開設を目指しているとのことです。
グラウンドXは、現在市場拡大している日本だけでなく、アジア全体でブロックチェーンに基づくサービスを普及させることを目指しているようです。
2018年は大手企業参入の年になるか
LINEやKakaoの仮想通貨事業への正式参入がここ数か月話題になっているのは事実です。
さらに、今年は既存の大手企業が続々と仮想通貨事業への正式参入を表明しています。
日本の金融機関としては、SBIグループが先んじて独自の取引所を設立し、仮想通貨交換事業者として金融庁から正式に登録されています。
取引所はまだ運用段階ではなく、たびたび延期発表がなされていますが、2018年度には正式にサービスを開始することが予想されています。
また、三菱UFJ銀行も2018年1月に正式に参入を表明しています。
仮想通貨取引所という営業形態に加えて、同時の仮想通貨MUFGコインを発行し、運用していくと公表したところです。
MUFGコインは、資産としての価値が安定しない仮想通貨市場の安定を目指しており、2018年度中の正式なサービス立ち上げを予定中です。
また、IT関連企業では楽天が仮想通貨関連事業に進出しており、すでにブロックチェーンの研究所を立ち上げています。
2月27日スペインバルセロナで行われた、通信関連企業の国際見本市「モバイル・ワールド・コングレス」にて、三木谷会長が直々に楽天独自の仮想通貨である、楽天コインの構想を発表したばかりです。
現在、自社サービスである楽天市場の決済システムに採用するなど、様々な構想を練っています。
楽天コインは、世界的に見ても大規模な大手通販サイトである楽天が発表したということで話題になりました。
日本国外でも大きな動きが相次いで起こっています。
特にアメリカの動きは衝撃的です。
これまで一貫して仮想通貨に敵対していた大手金融企業が相次いで仮想通貨事業への参入を決めました。
それがJPモルガンとゴールドマンサックスです。
JPモルガンに関してはそれまでの攻撃的な態度から一変し、CEO自らがこれまでの仮想通貨に対する不用意な発言に対して、後悔していると述べるとともに、仮想通貨の先物取引市場への参入を検討していると発表しています。
また、ゴールドマンサックスはすでに2017年頃から仮想通貨事業への参入を検討していて、先物取引の運用をする予定を発表しています。
このように、まだ実現への見通しが立ったわけではありませんが、2018年は多くの大手企業が仮想通貨事業へ参入してくる年になることが予想されます。
まとめ
LINEなど、既存大手IT企業の参入が仮想通貨市場へ与える影響力は今のところ未知数です。
ただ、ユーザー数の多さや資本力、培ってきた信頼や技術力の高さを考えると現在の変動する市場に好影響を与えるのではないか、という予想が立てられています。
国際的な規制枠組みがない仮想通貨取引市場において、こうした企業の参入は単純に市場価格の安定化だけでない好影響を与えるでしょう。
現在数多くある、詐欺に近いアルトコインや利用用途のはっきりしない仮想通貨などは淘汰されていくことが予想されています。
現在は投機目的の資材として事実上バブルのような不自然な価格高騰が仮想通貨市場には起こっています。
なぜなら、どの仮想通貨も基本的には実験段階、あるいは試験段階を出てはいないからです。
大手企業の参入は単純に投資目的の現在の市場の安定化や顧客保護だけでなく、こうした面でも好影響を与える可能性があります。
さらに、資金力やノウハウ、顧客を多く抱える大企業は、既存の仮想通貨業者に比べて、試験運用を段階的に行い慎重に運用を開始していくことができます。
その一方でこうした事業者の参入で既存の事業者が淘汰されたり、通貨の価値が失われていったりする可能性もあります。
ブロックチェーン技術を運用したサービスや仕組みの実現にはなくてはならないことですが、投資目的での運用のみを考えている方にとっては悩ましい問題でしょう。
2018年はこうした大手企業仮想通貨参入の動きに注目していく必要がありそうです。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します