はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

サムソン・モウが語る日本のビットコイン戦略の現在地|JAPAN BITCOIN FUTURE FORUM

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国、ビットコイン戦略でグローバルを先行

JAN3のCEOサムソン・モウ氏は25日、神奈川県横浜市で開催されたJAPAN BITCOIN FUTURE FORUMに登壇し、日本のビットコイン環境の現状に警鐘を鳴らした。

セッションでは米国との法整備の差やビットコインETF(上場投資信託)整備の必要性、日本企業連合による政策ロビー活動の推進など、日本が取り組むべき課題を多角的に論じた。

モウ氏は「米国は大幅に先行している」と述べ、国内の現行の法整備スケジュールについて「機会損失に直結する」と危機感を示した。米国では準備資産に関する法整備が進められており、すでに押収ビットコインの売却は停止されている。

さらに、暗号資産推進派の議員が提出した米国政府が5年間で100万BTCの取得を目標とする「Bitcoin Act」法案も国会で審議が進んでいる。公開企業のビットコイン保有量や現物ETFの残高が米国に大きく集中している状況を受け、「実際に最も多くのビットコインを保有・管理しているのは、米国人・米国企業・米国のカストディアンである」との指摘がなされている。

一方、日本については前向きな評価もした。メタプラネットなどの上場企業よるビットコイン財務戦略の採用が重要な第一歩となっており、ETFをはじめとするビットコイン関連金融商品の整備に向けた土台になるとした。

ただし、日本が抱える構造的課題にも言及した。高い債務対GDP比率とゼロ金利政策が国内の富を海外のヘッジファンドや金融機関に流出させているとして、「ビットコインがこの状況を修正する大きな役割を担うだろう」とした。

ETF整備と主権確保を急ぐべき

ETFについては、暗号資産の税金が総合課税の50%から20%へ引き下げられる見込みは前進だとしながらも、「それだけでは不十分だ」と強調した。年金基金など機関投資家にとって、ETFは現実的なビットコインへの投資手段となる。

さらにモウ氏は「主権の問題」として、日本国内でのビットコイン保管インフラの整備を訴えた。「日本独自のETFを持ち、そのETFが他国ではなく日本国内のマルチシグ、コールドストレージでビットコインを管理する必要がある」と述べた。

JAN3は現在、日本でこうした議論を加速する取り組みを進めている。モウ氏は「複数の日本企業と協議し、政策立案者へ働きかける連合グループの結成を目指している」と明かした。

「世界の他の地域で何が起きているかを政治家に伝え、法整備の加速が可能かどうかを検討したい」と述べ、世界有数の経済大国としての日本がビットコイン採用に動く必要性を繰り返し強調した。

ビットコイン債(Bitcoin Bond)の仕組み

モウ氏はビットコイン債の仕組みについても説明した。もともと数年前にビットコインを法定通貨化に踏み切ったエルサルバドルなど高金利の新興国向けに設計されたもので、調達資金の半分をビットコインで保有し、5年後に元本を償還する構造だ。

残り半分はビットコインマイニングインフラへの投資に充て、クーポン(当初設計では年6〜7%)の支払い原資とする。5年間でビットコインが2倍になれば元本が賄われ、それを超えた分は投資家に還元される仕組みだ。

モウ氏は「Strategyの優先株と同様に、ビットコインの上値を投資家と共有する構造」と説明した。米国でも同様の「Bit Bond」が検討されており、キャピタルゲイン非課税などの優遇措置が加わる形だと述べた。

ステーブルコインとJPYCの役割

ステーブルコインについては、米ドル連動のテザー(USDT)などが世界の基軸通貨としての地位から引き続き主流になるとの見方を示した。一方で、日本円連動のJPYCのような各国通貨建てステーブルコインにも意義があるとした。

その理由として、国家がビットコインの戦略的準備資産を積み上げる際の調達手段としての役割を挙げた。「国内の取引所を通じて購入する方法に加え、ステーブルコインがグローバルな取引所で受け入れられれば、世界市場から直接ビットコインを調達できる」と述べ、国家レベルのビットコイン蓄積においてステーブルコインが重要なインフラになりうると指摘した。

「4年サイクル」は崩壊、需給構造が変化

ビットコイン相場については、半減期を基準とする「4年サイクル」の崩壊を指摘した。2024年には半減期前に過去最高値を更新しており、ETFや企業トレジャリーによる需要が日次採掘量を大幅に上回る構造になりつつある。

残存採掘可能量は現時点で100万BTC強まで減少しており、供給面でも環境が大きく変わっている。現在の価格下落局面はヘッジファンドによる4年サイクルへの賭けが原因だとしたうえで、「Strategyが下落局面でも新たな仕組みを通じてビットコインを大量に買い続けており、このような状況はこれまで存在しなかった」と述べた。

関連:ビットコイン(BTC)とは?|仕組み・歴史・半減期・将来性完全ガイド【2026年】

JAPAN BITCOIN FUTURE FORUMについて

メタプラネットおよびBitcoin Japanが主催するビットコイン特化カンファレンス。2026年3月25日、横浜・ぴあアリーナMMにて開催された。

衆議院議員の神田潤一氏、JAN3 CEOのサムソン・モウ氏、Binance Japan代表取締役の千野剛司氏らが登壇し、ビットコインと日本経済の関係を多角的に議論した。スポンサーにはSBI VCトレード、Gate Japanなどが名を連ねた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/11 月曜日
14:54
ビットコイン現物ETF、6週連続の純流入 先週は約975億円の資金流入
ビットコイン現物ETFに先週約975億円の純流入、6週連続のプラス。IBITが流入をけん引し、累積純流入額は593億ドル超に。
14:14
スイ、今年中に秘匿取引を導入へ プライバシー決済と大規模決済に対応
Mysten LabsのアビオドゥンCPOが、Suiブロックチェーンで2026年中に秘匿取引機能を導入すると表明。プライバシー決済と大規模決済への対応を目指す。
13:30
ブラックロック、トークン化MMF関連商品2件をSECに申請
ブラックロックがステーブルコイン保有者向けのオンチェーン対応MMF関連商品2件をSECに申請した。両ファンドは、ステーブルコインで資産を保有する投資家が、規制準拠型の安全資産で利回りを獲得できるように設計されている。
13:02
ストラテジーのセイラー会長、ビットコイン売却可能性について詳細語る
ストラテジーのセイラー会長が仮想通貨ビットコイン売却の可能性と戦略的意図を解説した。損益分岐点や、純購入者の立場を維持する意欲も示している。
10:56
12年以上休眠の古参ホルダー、500BTCを移動 含み益は約88倍に=Lookonchain
12年以上休眠していたビットコインの古参ホルダーのウォレットが500BTCを移動。取得時の約88倍となる約4,062万ドル相当で、含み益は約4,017万ドルに達する。
10:23
カントン・ネットワーク、470億円規模の資金調達を計画=報道
金融機関向けブロックチェーン「カントン・ネットワーク」運営会社が、a16zクリプト主導で約470億円の資金調達を目指している。大手企業から注目を集める中での動きだ。
08:43
モルガン・スタンレーのビットコインETF、運用開始1カ月で約304億円を純流入 日次流出はゼロ
モルガン・スタンレーのビットコインETF「MSBT」が運用開始1カ月で約304億円を純流入。日次流出ゼロという記録を達成し、機関投資家の強い需要を示した。
08:13
韓国の仮想通貨保有額、1年余りで半減 株式市場好調が資金吸収
韓国の仮想通貨保有額が1年余りで半減。株式市場への資金流出に加え、AML規制強化や2027年の22%課税方針が市場の重しとなっている。
05/10 日曜日
09:30
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETHのグラムステルダム集中作業やソラナとグーグルのAI決済発表など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
09:25
週刊仮想通貨ニュース|ビットコインの量子脅威対策や5年以内100万ドル到達の強気予測に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの量子コンピュータ対策、VanEckのマシュー・シーゲル氏によるビットコイン価格の強気予測、ホワイトハウスによるクラリティー法案の成立目標設定に関する記事が関心を集めた。
05/09 土曜日
13:15
トランプ・メディア1〜3月期決算、仮想通貨下落などで大幅損失 キャッシュフローは黒字維持
トランプ・メディアが2026年1~3月期決算を発表。仮想通貨などの含み損が響き大幅な純損失を計上。一方、金融資産は前年比3倍に拡大し営業キャッシュフローは黒字だ。
11:00
ジーキャッシュ、量子コンピュータ耐性ロードマップを公表 クロスチェーン流入も好調
プライバシー仮想通貨ジーキャッシュの開発企業CEOは、量子回復性ウォレットを1か月以内に展開し、18か月以内に完全なポスト量子化を目指すと表明した。
10:20
米上院銀行委員会、クラリティー法案を5月14日にマークアップ予定
米上院銀行・住宅・都市問題委員会が5月14日の正式会合で注目の「クラリティー法」のマークアップを実施する予定だ。利回り条項は妥協済みだが、トランプ一族の仮想通貨利益をめぐる倫理条項が新たな焦点に浮上した。
08:10
コインベース、サービス障害発生後に取引再開
仮想通貨取引所コインベースは、サービス障害が発生したと発表。その後、主要な問題は完全に解決したと説明しており、停止していた取引サービスを再開している。
07:55
アプトス、機関取引・AIエージェント向け基盤に78億円超を投入
アプトス財団とアプトス・ラボが8日、機関投資家向け取引と自律AIエージェントの2分野に特化した5000万ドル超のエコシステム投資を公表。自社プロダクト、研究、プロトコル基盤、戦略ファンドに資金を配分する。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧