- 担保954BTCで3,500万ドルの融資が残る
- AI合弁に最大6,210万ドルの追加出資リスク
売却と担保が迫る保有縮小
米ナスダック上場のビットコイン(BTC)保有会社エンペリーデジタル(Empery Digital)は、7月1日から8月6日までの間に1,635BTCを売却し、1億220万ドルの売却代金を得た。米証券取引委員会(SEC)に提出した最新の四半期報告書(10-Q)で明らかになった。
売却後の保有量は1,279BTC。うち954BTCは融資の担保として拘束されており、担保分を除いた非拘束のBTCは325BTCとなった。6月30日時点の1,375BTCから約76%の減少にあたる。
同社は今年前半にも1,167BTCを8,006万ドルで売却済み。その資金は5,400万ドルの自社株買いや5,000万ドルのリポ契約返済、1,000万ドルの別融資への返済に充てられた。株式発行による調達とBTC売却の両方が資金源になったとしているが、どの資金がどの用途に使われたかまでは区分していない。
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Empery Digitalが直近6日間で1200BTCを取得したとオンチェーン監視アカウントが報告。同社は7月1日、ビットコイン買い増しを行わない方針を公式に発表しており、両者の整合性は現時点で確認されていない。
担保ルールと2度のマージンコール
同社の融資契約は担保率174%を目標とし、153%を下回るとマージンコール、12時間以内に補填できなければ143%割れで清算対象となる規定を置く。2月4日には576BTC、6月3日には186BTCを担保として追加で差し入れた。SECへの提出資料では、貸し手による強制清算の実行は報告されていない。
6月30日以降は状況が好転している。同社は2,000万ドルを返済し、融資残高は5,500万ドルから3,500万ドルに縮小した。この結果、貸し手からは585BTCが返還され、担保として拘束されるBTCは1,539BTCから954BTCへ減少した。
AIデータセンター出資も重荷に
一方でAI関連事業への転換も資金の重荷になりつつある。子会社を通じて設立した合弁会社「EMHU」に290万ドルを出資済みで、データセンター用地の買収が完了すれば追加で6,210万ドルの資本拠出を求められる可能性がある。
6月30日時点の現金残高は370万ドルにとどまり、570万ドルの運転資本不足を抱える。経営陣は事業活動や借入、BTC売却などを組み合わせて資金を確保する方針を示す一方、BTC売却は複数ある資金調達手段の一つに過ぎないとも説明しており、確実な選択肢とは位置付けていない。
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