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英当局、金トークン化で大手銀行と協議=FT報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • FCA・BOE、金担保のトークン化を検討中
  • 大手銀行と協議、数カ月以内に方針表明へ

英FCA、金トークン化の検討進む

英国の金融行為規制機構(FCA)が、金のトークン化に照準を絞った規制の枠組みづくりを進めていることが、Financial Times(FT)10日の報道で明らかになった。

関係者によると、FCAはすでに大手銀行を含む業界関係者と協議を重ねており、この分野の規制基準づくりに関する方針を数カ月以内に示す見通しだという。

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金個別の協議、大手銀行巻き込む

FCAは、トークン化された金を卸売市場での担保として活用する方法について業界から意見を募っている。同庁は物理的な金の現物取引そのものを直接規制する権限を持たない一方、公開市場に上場する金連動デリバティブや上場投資商品(ETP)には規制をかけている。トークン化された金をどのような枠組みで監督するかも、協議の論点になっているという。FCAはコメントを控えた。

FT報道では、関係者の1人が「上海や香港からの競争圧力は大きい。上海は金市場の卸売ハブになることを目指している」と述べ、ロンドンがトークン化などを通じて市場を近代化しなければ、他の拠点に主導権を奪われかねないと指摘したことも伝えられている。ロンドンは世界の金取引の約7割のシェアを握るとされる中心地だが、中国の台頭でその優位性が脅かされているとの見方が背景にある。

英財務省が新設した「卸売デジタル市場推進担当」に就いたクリス・ウーラード氏はFTの取材に対し、金融市場のデジタル化を加速させれば英国経済に最大330億ポンド(1ポンド=212.9円換算で約7兆260億円)相当の押し上げ効果が見込めるとの見方を示したという。

FCA公式文書が示す検討の土台

英国の金融行為規制機構(FCA)とイングランド銀行は5月18日、卸売金融市場のトークン化に関する共同文書「Call for Input」を公表した。文書の主題はトークン化された証券(債券・株式・ファンド持分等)だが、担保資産の適格性を扱う項目では、店頭(OTC)取引の担保としてトークン化した金やマネー・マーケット・ファンド(MMF)を用いる利点を認識し、業界標準の策定を進める方針を示していた。フィードバックの受付は7月3日に締め切られ、年内に共同のロードマップを公表する計画だ。

FCAで市場担当のエグゼクティブディレクターを務めるサイモン・ウォールズ氏(Simon Walls)は「トークン化には卸売市場を一変させる可能性がある」と述べ、コスト削減とリスク低減、新サービスの創出につなげたいとの考えを示していた。

HSBCの先行事例と金相場の現状

実例としては、HSBCが約2年前に香港の個人向け顧客限定でトークン化された金の商品を提供開始しており、累計取引額は22億ドル(1ドル=157.7円換算で約3,470億円)、取引件数は27万6,000件を超えたとFTは報じている。

世界の金業界団体World Gold Council(ワールド・ゴールド・カウンシル)は今年、デジタル化された金の所有権について「地金のサイズや保管場所、分断された決済の仕組みに制約されなくなる」との見方を示していた。

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