- 共有台帳でトークン化預金取引が可能に
- デジタル資産管理プラットフォームのオンプレミス版も提供へ
SWIFTの銀行間共有台帳に接続
米テック大手IBMは24日、トークン化預金取引のために「デジタルアセット・ヘイブン(Digital Asset Haven)」をスウィフト(SWIFT)のブロックチェーン共有台帳に接続すると発表した。同プラットフォームのユーザーは、スウィフトのブロックチェーンベースの共有台帳を含む許可型ブロックチェーンのネットワークに接続できるようになる。
新たなベータ版ISO 20022(金融取引のためのメッセージング国際標準規格)メッセージングアダプターにより、金融機関は標準的な決済メッセージを使用して、同台帳上でのトークン化預金取引を指示することが可能だ。
これにより、このプラットフォームのユーザーは、ブロックチェーン特有のワークフローを新たに構築するのではなく、既存の決済メッセージ形式や業務プロセスを維持することが可能になる。
「デジタルアセット・ヘイブン」はIBMが2025年から提供しており、金融機関・政府・企業などがデジタル資産(ステーブルコイン、トークン化預金など)を安全に管理・運用するための統合プラットフォームである。
スウィフトは7月に、金融機関向けのブロックチェーン基盤共有台帳の初期稼働を開始。これは、参加銀行のトークン化預金システムをつなぐ「調整層」となる共通基盤として機能するものだ。「デジタルアセット・ヘイブン」はこれに接続する。
関連記事:SWIFTのブロックチェーン活用加速、シンガポール3行が銀行間トークン化預金取引に成功
DBS・OCBC・UOBの3銀行が10日、SWIFTのブロックチェーン台帳を通じて銀行間トークン化預金取引を初めて共同実施。8月以降、HSBC、シティ銀なども類似のテストを行っている。
スウィフトのプログラムに参加する金融機関の一部は、すでに「デジタルアセット・ヘイブン」を使った共有台帳上でのトークン化預金取引のテストを実施し、成功させた。
自社環境内で実施できるオンプレミス版提供へ
IBMは「デジタルアセット・ヘイブン」のオンプレミス版をベータ版として提供するとも発表した。利用希望者はウェイトリストに登録できる。ユーザーは、パブリッククラウド基盤に依存することなく、自社データセンター内でIBM ZおよびIBM LinuxONEを用いてステーブルコインやトークン化預金などのデジタル資産を管理できるようになる。
データ主権やセキュリティ要件が厳しい組織にとって選択肢が広がる形だ。プラットフォームとその鍵管理レイヤーは完全にユーザー組織の環境内に留まり、鍵はLinuxONEに組み込まれたIBM Crypto Expressのハードウェア・セキュリティ・モジュールによって保護される。
また、オンプレミス版は、SaaS版・ハイブリッドSaaS版と同一のアーキテクチャ、API、ワークフローを踏襲している。このためユーザーはオンプレミス版に切り替える際にアプリケーションを作り直す必要がない。導入形態の間で柔軟に移行することが可能だ。
IBM Z(大型基幹業務用コンピューターのライン)およびLinuxONE(サーバー製品ライン)担当ゼネラル・マネージャーのトム・マクファーソン氏は次のようにコメントした。
金融サービス業界は、トークン化資産と従来型資産が共存・並行して運用される新たな時代に突入している。
スウィフトの共有台帳への接続や「デジタルアセット・ヘイブン」のオンプレミス環境への展開を通じて、IBMは、ユーザーが中核となる金融業務のコントロールを最優先しつつ、新たなデジタル資産ネットワークに参加できるよう支援していく。
米金融大手シティグループが年内にも、トークン化預金による海外送金サービスを日本企業向けに始める。外資による参入は初めてで、夜間や休日でも外貨を瞬時に送金できるようになる。
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