ブロックチェーンや仮想通貨は、日常をどのように変えるのか|業界著名人インタビュー
- ブロックチェーン・仮想通貨業界の著名人にインタビュー
- Microsoft AzureのプロジェクトマーケティングマネージャーJonathan Rose氏、Lisk財団のCEO、Max Kordek氏、大手仮想通貨データサイトCryptoCompareのCEO、Charlie Hayter氏、仮想通貨FactomのCEO、Paul Snow氏にインタビューをさせていただきました。
- ブロックチェーン、仮想通貨が変える我々の日常
- 今回はそれぞれに共通質問として「ブロックチェーンが変える私たちの日常」、「仮想通貨が変える私たちの日常」について伺いました。
インタビュー協力者
Jonathan Rose – Microsoft Azure
Microsoft Azureプロジェクトマネージャー。
TeleTechにてマネージャー、グローバルアカウント部署にてディレクターを務め、Microsoftへ入社。現在はブロックチェーン、Microsoft Azureのプロダクトマーケティングマネージャーを務める。
Max Kordek – Lisk、CEO
現Lisk財団CEO、LightcurveCEO
大学で電子工学を学び中退。その後、オープンソース仮想通貨プロジェクトであるCriptiに携わる。
2016年にCriptiから派生するような形でLiskを立ち上げ1万4千BTCをICOで集める。
現在は、Lisk財団の会長とlightcurveのディレクターを務める。
Charles Hayter – CryptoCompare、CEO
大手海外仮想通貨データサイトCryptocompare、CEO
英国ロンドン出身。株アナリストとしてキャリアを重ねながら2014年に離職。
共同設立者のVlad Cealicu氏と共にサイト開発に取り組み、2015年に仮想通貨および取引所の比較サイト、CryptoCompareを立ち上げることに成功。
『仮想通貨に関する信頼できる情報を提供する事』をテーマに、サイト展開と仮想通貨の普及に専念している。
Paul Snow - Factom、CEO
現仮想通貨企業、FactomCEO
Texas A&M大学で情報工学の修士号を取得後、 数々の会社を立ち上げる。
2014年にFactomを始めCEOに着任。現在はテキサスブロックチェーン協会の会長も歴任。
昨今、仮想通貨やブロックチェーンが、我々の未来を変えていくという話はよく議論されています。
そこで実際にブロックチェーンや仮想通貨がどのような影響をもたらすのか、ブロックチェーン業界の著名人に見解を伺いました。
今回は、以下の4名にインタビューさせていただきました。
- Microsoft Azureプロジェクトマーケティングマネージャー:Jonathan Rose氏
- 仮想通貨LiskCEO:Max Kordek氏
- CryptoCompareのCEO:Charlie Hayter氏
- 仮想通貨FactomのCEO:Paul Snow氏
インタビューは5月に開催された、仮想通貨業界最大級のイベント「Consensus」中に行ったものです。
インタビュー内容
- ―ブロックチェーンは、我々の日常にどのような変化をもたらすのか
-
Microsoft Azure:Jonathan Rose氏
クラウドサービスには必ず仲介人がつきます。
もし顧客同士で問題やクレームがあった場合、仲介者がその間に入る必要がありましたが、ブロックチェーンではその仲介が必要ないので、顧客同士の摩擦に巻き込まれる可能性が無くなります。
良い例が、Webjet(航空会社)ですね。
オーストラリアとニュージーランドでサービスを主に提供している観光会社なのですが、以前はフライトやホテルの予約に問題がありました。
パートナー会社が多かった為、クラウドサービスには限界があったようで、頻繁ににダブルブッキングが発生したそうです。
その都度手当や謝罪金を払う形になり、パートナー会社同士での摩擦もありました。
しかしブロックチェーンで管理するようになってからその問題が改善されました。
このような話は、今後いくつも現れるでしょう。
- ―仮想通貨は、我々の日常にどのような変化をもたらすか
ブロックチェーンは、仲介人として最も優れていると思います。
例えば、大勢が参加するカンファレンスでスピーカーバッジをもらうのに、待つ時間は非常にもったいない。
ブロックチェーンを使えばいいのに、なぜいちいち待たなければいけないのでしょう?本人確認すれば、チケットもバッジもすぐ交換できます。
データベースに、仲介人は必ずしも必要なく、保険も自動でできるはずです。
プロセスは匿名性を保ちつつすぐに結果が出て、なおかつ不変なブロックチェーンでやるべきです。
仮想通貨やブロックチェーン技術は、今後も利用されていくでしょう。ですが、その技術がどのように機能し、どのように成り立っているのかは、知られずに使われるでしょう。
仕組みまで理解しているのは、初期ユーザーとブロックチェーンを活用している企業だけですね。
今後はもっと簡単で使いやすいコインが出来るでしょう。
そうなれば、いろんな企業や加盟店が採用し、利用者も増えます。その反面、仕組みを理解している人達は、逆に減っていくと思われます。
私にとって一番変わったのは、ウォレットですね。今私が持っている財布には、カード類がたくさん入っています。
例えば運転免許証は、「テキサス州で合法的に運転できる」と証明するものです。
クレジットカードは、私がどこの誰といつ取引したかは記録するものです。コストコカードは、私がメンバーであり、コストコで買い物をしてもいいと証明するものです。これらのカードは、全て一種の身分証明書なのです。
ここで生じる疑問があります。なぜ、こんなバラバラに管理する必要があるのでしょうか。
ブロックチェーン技術を使えば、このようなペーパーウォレットができます。これを使えば、財布を持ち歩く必要がなくなりますし、カードを何枚も維持する必要も無くなります。
またペーパーウォレットは、デジタル署名が組み込まれており、これ一つで身分証明ができます。しかも、デジタル署名はいつでも変えられますので、万が一ウォレットが盗まれても他の予備のデジタル署名を使って取り返すことも可能です。
旅行などで国境を渡るのに必要な身分証明書は、いくらでも印刷できる紙で作られたパスポートです。
ブロックチェーンは、社会をもっと良くします。
不便で非効率な現状を、より安全で、より簡単なものに変えることになるでしょう。
仮想通貨は、「リアルタイムかつ仲介なしに価値を転送」する能力を持っています。
この技術は、今までは不可能だったことです。まだまだ欠点はありますし、改善点もあるでしょう。
しかし、今後どう発展していくのは見ものです。
株式市場を考えた場合、取引時間が限られていますよね?これは今の時代に適していないように感じます。
ブロックチェーンにより、市場の流動性を作り、アクセスを可能にすることで、より多くの価値を作り出すことができます。
また、ライトニングネットワーク、シャーディングなどスケーラビリティを改善することは可能です。
これらを仮想通貨が可能にするのではないでしょうか?
私たちがICOで学んだことは、銀行や金融機関の外で資本化を作成する方法があることです。
今後人々はさらに資本や価値になるものをトークン化しようとするでしょう。
例えば、1920年代に起こったアメリカの大恐慌。当時は価値の大暴落が起こり、農民が作物を都心に持っていくお金がなく、作物が腐ってしまう事件がありました。
当然そのせいで都心に食物がなく、市民は飢えました。
そんな時、仮想通貨のように仲介人が必要なく、国が価値の保証をする必要がない通貨があれば、あのような事態は防げました。
仮想通貨は、消費者と生産者の直接的な取引を可能にします。流動性もある程度保証ができ、これは経済の発展にもつながります。
ブロックチェーンや仮想通貨は今後、社会を大きく変えていくことになるでしょう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します