最大手取引所FTX傘下に入る「Liquid」 主な特徴と将来性を解説
SOL・FTTが国内初上場
暗号資産取引所Liquid(リキッド)を運営するQUOINE株式会社(以下、Quoine)は15日、Solana(SOL)・FTXトークン(FTT)の取扱い開始を発表しました。国内初の取扱いです。
Quoineの親会社Liquid Group Inc.(以下、Liquid)は先日、世界最大手の暗号資産デリバティブ(金融派生商品)取引所FTX.COMの運営企業であるFTX Trading Limited(以下、FTX)による買収契約締結を発表しました。今年3月を目処に、FTXの傘下にLiquidグループが入ることになります。
日本に居住している既存のFTX.COMユーザーは、3月30日をもってQuoineを経由して提供される「FTX Japan」に移管されると同社も発表しました。 Quoineは、「最高の取引プラットフォームの1つと、革新的で規制された新しい製品を日本に導入できることに期待しています」と述べています。
日本市場の将来性
先進的なサービスの数々が好評を博すFTXは、ソラナ(SOL)を基盤としたDEX(分散型取引所)やNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスをローンチするなど、Solanaチェーンを活用したサービス開発でも知られています。
FTXのSamuel Bankman Fried(サム・バンクマン・フリード)CEOは、Solanaを選択した理由について「一つの基準として、秒間100万回もの大規模な取引を実現するロードマップがあることが重要だ。それを実現し得るのは、当時Solanaしか存在しなかった」と語っていました。
このような背景があり、LiquidにSOLとFTTの上場が実現しました。
FTXは、世界的にみても特に豊富な金融商品を取り揃え、株式をトークン化した「株式トークン」の提供など画期的なサービスの取り扱いに定評があります。
同取引所を率いるサムCEOは、「SBF」の愛称で知られ、自他ともに認めるトレーディング能力を活かしたその経営手腕が高く評価されています。
FTXの親会社である暗号資産投資企業Alameda Research(アラメダ・リサーチ)は、数々の有望な暗号資産・ブロックチェーン企業やプロジェクトに出資しており、世界の暗号資産投資家の意思決定に与える影響力は無視できません。
米国プロスポーツ団体やeSports業界との提携のほか、Solanaプロジェクトにも早期に出資するなど先見の明に定評があり、今回のLiquidグループを傘下に収めたことによる、さまざまなシナジーが期待されます。
Liquidの特徴
Quoine社は、当時シンガポールを拠点とするLiquidグループの日本支社として2014年に設立され、同年にLiquidの前身である暗号資産取引所サービス「Quoinex(コインエクスチェンジ)」を設立しました。Liquidは、前身のQuoinexの時代も含め長きにわたり暗号資産業を営む、業界でも歴史ある暗号資産取引所の一つと言えます。
Liquidグループは、日本、シンガポール及びベトナムに拠点を置くグローバルな暗号資産交換業者。それぞれの国で展開する取引所サービスの流動性を集約し、高水準の流動性を実現しており、2019年の全体の年間取引量は600億ドル(約700億円)を超えます。
豊富な通貨ペアを提供する「クイック販売所」
クイック販売所は、日本円での暗号資産取引の他、直接暗号資産同士を取引することが可能です。
現在保有する銘柄を一度売却し日本円に換金してから他の暗号資産を購入しようとすれば、その分取引手数料がかさんでしまいます。しかし、暗号資産同士の取引では、日本円を介さないため手数料の削減が見込まれます。
また、提供する通貨ペアは「110種類」と国内最多です。
レバレッジ取引
Liquidでは、暗号資産同士の取引も含めた現物取引のほか、国内取引所では珍しいアルトコインのレバレッジ取引も提供しており、下落トレンドでショートポジションを取ることも可能。中・上級トレーダーの需要を十分に満たしています。
レバレッジ取引では、「BTC/JPY」、「ETH/JPY」、「XRP/JPY」の3種類の通貨ペアがあり、今後は先日上場したライトコイン(LTC)、ステラルーメン(XLM)、ベーシックアテンショントークン(BAT)の3銘柄にも対応予定とされています。
取扱い銘柄一覧
Liquidでは、以下の10銘柄を取扱っています。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- ソラナ(SOL)(現在、日本ではLiquidのみ取扱しています)
- FTXトークン(FTT)(現在、日本ではLiquidのみ取扱しています)
- XRP(リップル)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
- ステラルーメン(XLM)
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
- キャッシュ(QASH)
SOL・FTTについて
国内取引所として初めてLiquidが取扱い開始した、SOL及びFTTの特徴をそれぞれ解説します。
SOLの魅力
SOLは、レイヤー1のブロックチェーン「Solana」上で発行されるネイティブトークン。
Solanaは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を発展させた独自のコンセンサスアルゴリズムPoH(プルーフ・オブ・ヒストリー)の採用により、秒間約5万ものトランザクション処理を可能にした高速スマートコントラクトプラットフォームです。
PoHは、PoSをベースとしているためSOLをステーキングして報酬を受け取ることもできます。ガス代(ネットワーク手数料)が非常に安いのも特徴の一つ。
近年では、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)市場で取引数が大幅増加したことにより、スマートコントラクトプラットフォームとして最も利用されるイーサリアムチェーンのエコシステム(生態系)は、スケーラビリティ(拡張性)問題やガス代(ネットワーク手数料)の高騰といった課題に直面しています。
その点において、Solanaは、イーサリアムが抱える問題を解決し得るレイヤー1プロジェクト「イーサリアムキラー」の一つとしても注目を浴びるようになりました。
Coinmarketcap(CMC)によれば、2022年2月時点でSOLの推定時価総額は約350億ドル(約4兆円)。2020年まで1ドル付近を推移していたSOL価格は、2021年の強気相場で高騰。22年11月には過去最高値の250ドル(約29,000円)に達しています。
その規格外の処理速度やガス代の安さといった利便性を享受するために様々なプロジェクトがSolanaブロックチェーンを採用しており、広範な経済圏(エコシステム)が形成されています。
- デジタルウォレット
2021年7月にローンチされたNFT画像の表示機能などが搭載されたSolana基盤のウォレット「Phantom」は、すでに200万以上の月間アクティブユーザーが存在するなど普及しています。
- DEX
中央管理者を置かず、スマートコントラクトで自動運用される取引所であるDEXもSolana上に展開されています。FTXが開発を主導したクロスチェーン取引の実現を目指すデリバティブ向けのDEX「Serum」や、Serumと連携する「Raydium」が代表的です。
また、Solanaを基盤としたDeFiプロジェクト全体のTVL(トータル・ロック・バリュー:DeFiプロトコルに預け入れられている暗号資産の総量)は35億ドル(約4000億円)に及びます。
- NFTマーケットプレイス
DeFiだけでなく2021年より市場が急拡大したNFTを売買できるマーケットプレイスも次々に誕生しています。それぞれ6億ドル前後の取引高を誇る「Solanart」、「Magic Eden」が牽引する形で様々なサービスが追随しています。
例えば、2022年1月にメインネットがローンチされたばかりの「Burnt Finance」は、ガス代無料でNFTのミント(発行)・取引ができるNFTプラットフォーム。NFTのレンディングサービス、ステーキングによる流動性マイニング、ブロックチェーンゲームを含むDeFi機能を統合する他、同プラットフォームでNFTをミントすることで現実世界の株式、コモディティなどの金融商品の合成資産として取引できる「bAsset」トークンを発行できるのが特徴です。
同プロジェクトは、Alameda Researchやブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の開発で知られるAnimoca Brandsを始めとした約20の企業から将来性を買われ、ローンチ当日までに10億円以上を調達。
また、Solana財団が立ちあげたNFT関連プロジェクト「Degenerate Ape Academy」は、NFTシリーズの販売開始から十分足らずで1万点が完売するほど人気を博しました。
- NFTゲーム
「Axie Infinity」を筆頭に、2021年からのトレンドとなっているNFTを活用したブロックチェーンゲームもエコシステム拡大の一翼を担っています。その中でもローンチ以前から発展が期待され、豊富な資金を集めるプロジェクトの一つが「Star Atlas」です。
同タイトルは600年後の宇宙空間を舞台としたブロックチェーンSF戦略ゲーム。プレイすることでNFTやATLAS・POLISという2種類のトークンを獲得できます。FTXとの結びつきも強く、FTXは2021年8月にStar Atlasのトークンセールを主催、その直後にATLASおよびPOLISをFTX.COMに上場させました。
上記で紹介したSolana関連の各種プロダクトは、以下の企業を含む数十の投資企業や著名投資家から、数億~100億円以上の出資を受けています。
- Alameda Reserch
- a16z(Andreessen Horowitz)
- Animoca Brands
- Paradigm
- Multicoin
- Polychain Capital
- Commonwealth
Solana上に構築されているDeFiサービスやNFT関連プロダクトを利用する際には、ガス代としてSOLを支払う必要があります。Solana経済圏の成長による取引需要の拡大や、著名企業による出資が投資家に材料視されたことなどが価格上昇の背景にあると言えそうです。
FTTの魅力
FTTは、FTXの「取引所トークン」であり、イーサリアムのトークン規格である「ERC-20」として発行されています。
取引所トークンとは、それぞれの暗号資産取引所が独自に開発・発行するトークンを指します。取引所トークンを保有するユーザーには、取引手数料の割引のほか、上場銘柄を選ぶ際の投票権(意思決定権)など、それぞれの取引所が設けている特典が付与されます。
Coinmarketcap(CMC)によれば、FTTの時価総額は60億ドル(約7000億円)で27位。SOL同様に2021年の強気相場で大きく値上がりし、同年9月には過去最高値を更新しました。
一定期間でバーン(焼却)される仕組みが採用されているため、市場での流通量が減少し価値が高まっていく可能性があります。また、FTX.COMでFTTを保有すると、保有量に応じて最大60%の取引手数料の割引が受けられるインセンティブもあります。なお、FTX JapanのアカウントでFTTを保有する人に対しても、取引手数料の割引サービスの提供を検討中とのことです。
また、FTX.COMではFTTのステーキングサービスも提供されており、サービス利用者はFTTによる報酬や各種手数料の割引、ガバナンスの投票権、IEO(イニシャル・コイン・オファリング)の参加権など、ステークした量に応じた特典が得られます。
前述のStar Atlas(ATLAS)を含めた有望プロジェクトを複数上場させているFTXのIEOやプロジェクトがDEXを通じてトークンを販売して資金調達する手法であるIDO(イニシャルデックスオファリング)への参加権としても機能するFTTは、投資家から高い需要を生んでいます。
開催中のキャンペーン:3/2更新
最後に、Liquidで開催されるキャンペーンを紹介します。
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報酬:
報酬付与予定日:
プレゼントの付与は2022年4月中旬を予定しております。
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同キャンペーンの詳細はこちら。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します