仮想通貨市場の低迷期は終わりを告げるか:ボラティリティの暴風が過ぎ去り、ポジティブな動き相次ぐ
- 反転攻勢の狼煙
- 個人や機関投資家を問わず、投資マインドの改善のためには相場が信頼を取り戻すことが先決となる。世界的企業の関心が再び高まりつつある中、直近の動きは反転攻勢の好機となるか。
仮想通貨市場の変遷
昨今の仮想通貨市場のブームを経て、低迷を続けた相場は、今週に入ってから、2日連続で全面高の状況を見せるなど反発を記録。特にビットコイン(BTC)は、軟調なアルトコインの価格調整をよそに、出来高の増加を顕著にしています。
これは、市場に対する投資家の信頼が少しずつ回復してきたことを示していると考えられます。
低迷の要因
2018年に発生した、雪崩のような価格下落要因として、いくつかの理由が指摘されています。
- 短期間で相場が急騰したことで、利確売りに押されてチャートが崩壊したこと
- 巨額のハッキング事件やICO詐欺などが相次ぎ、業界としての未熟さを露呈したこと
- 大衆の関心が薄まったことで、需要(出来高)が半減したこと
このように、投資家心理の急悪化に加え、金融庁の態度が硬化するなどしたことで、新規流入の激減を余儀なくされた上、大手IT企業の広告禁止や金融業(銀行から口座開設拒否)からサービスを拒否されるなど、相場で最重要となる”流動性”の大幅低下を招く結果となりました。
回復の契機
今後、ビットコインなど仮想通貨の価格がさらに上昇するためには、疑心暗鬼に陥っている投資家心理が徐々に改善し、仮想通貨市場が信頼を取り戻すことが先決です。
そのために必要な要素としては、以下の点を挙げることができます。
- 国際規制基準などの法的規制の明瞭になること
- 各国の銀行や企業との提携が目に見えて進むこと
規制については、仮想通貨という新しい資産クラスに安定性が与えられ始めたことで、企業の関心が戻り始めていることは評価でき、今後は市場に対する需給面や価格上昇が、より確実かつ論理立ったものになっていくと思われます。
ここ最近では、マスターカード社による仮想通貨関連の特許取得や、ゴールドマンサックス次期CEOの仮想通貨に対するポジティブな姿勢、大手企業IBMから支援を受け、テザーの代替として注目を集める”Stronghold USD”の発表などが相次ぎ、ネガティブな話題が一巡したことで、明るい兆しも再び台頭しつつあります。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します