三菱UFJ信託銀行など国内大手7社、デジタル資産で新会社設立へ

大手7社が出資 Web3普及に備え

三菱UFJ信託銀行など国内の大手金融機関と、日本取引所グループ(JPX)、NTTデータなどが連携し、デジタル基盤を構築するための合弁会社を設立する計画だ。読売新聞などが報じた。

三菱UFJ信託銀行が開発した、セキュリティトークンの発行・管理プラットフォーム「Progmat(プログマ)」を分社化し、各社が出資する格好だ。

三菱UFJ信託銀行、日本取引所グループ(JPX)、NTTデータの他、三井住友フィナンシャルグループ、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、SBI PTSホールディングスの大手7社が参加することになる。

会社の設立は2023年9月以降となる見込みで、基本合意書を結んだ後に、各社の出資額を確定させる予定だ。

また、新会社に参加する各社は、それぞれがデジタル資産関連の事業を開発していく。セキュリティトークンの他、ユーティリティトークンや暗号資産(仮想通貨)の分野でも、新会社の技術を使えるようにする。

セキュリティトークンは、株式などの有価証券を、ブロックチェーン技術を利用してデジタル化したトークンのことだ。また、ユーティリティトークンは、例えば会員特典など、あるサービスを利用するための権利として機能するトークンのことである。

今回の動きの背景としては、メタバースやNFT(非代替性トークン)などWeb3サービスの拡大が予測されており、業界を横断したインフラを整備しておく必要性が考えられることだ。

大手企業が集合して事業を行うことで、デジタル資産の活用を促進する効果が生じる可能性もありそうだ。

Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

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「プログマ」とは

三菱UFJ信託銀行が開発したプログマは、「シンプル」「スピーディ」「セキュア」をコンセプトとしたデジタル資産のプラットフォームだ。

様々な金融商品を包括的に取り扱うことが可能で、スマートコントラクトなどにより、スピーディな金融取引を実現する。また、分散台帳技術と信託機能により、安全で信頼性の高い取引を行うことができるとされる。

セキュリティトークンを活用することにより、プログマ上のリアルタイムな取引記録を、そのまま 「法的な要件を備えた権利移転」とする仕組みで特許も取得している。

ステーブルコインへの取り組み

三菱UFJ信託銀行株式会社は業界横断のエコシステムを築くことを目指した「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」も主催。11月には、「パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループ」を設置した。

このワーキンググループは、グローバルな競争力を持つ国産ステーブルコインの導入と普及を目的としたもの。2023年初頭より、プログマ上でステーブルコイン「Progmat Coin(プログマコイン)」を作成し、国内規制に即したシステム設計や社会での実装を開始する計画だ。

23年に施行予定の改正資金決済法に向けて、民間事業者の意見を取りまとめ、関係当局との調整も図る。

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ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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