仮想通貨関連政策などに対応 米下院が「デジタル資産小委員会」を新設

新たな小委員会が誕生

米議会下院の金融サービス委員会は12日、米国初となる暗号資産(仮想通貨)に関する小委員会の設置を発表した。新しい資産クラスに対する監視および政策決定に対応すべく、同委員会は公聴会を開催し、法案作成にも重要な役割を果たす見込み。

「デジタル資産、フィンテック、包括に関する小委員会」の委員長には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)関連研究の取り組みを推進してきたフレンチ・ヒル議員が就任。仮想通貨推進派として知られるウォーレン・デビッドソン議員が副委員長を務める。

なお、ヒル氏は金融サービス委員会の副委員長も兼任する。

この小委員会は、公聴会を開催し、法案作成に重要な役割を果たすことになるが、具体的な管轄として以下の点が強調された。

  • デジタル資産のエコシステムに関して、連邦規制当局間に明確なルールを提供
  • サービスが行き届かない地域社会へ金融技術の普及を促進する政策の策定
  • デジタル資産エコシステムにおける多様性と包括性を継続的に強化するための、ベストプラクティスと政策の特定

ヒル議員は声明で次のように述べた。

金融分野において技術の進歩と変化が著しい現在、米国でフィンテックの革新が安全かつ効果的に繁栄するよう奨励すると同時に、党派を越えて協力し、責任あるイノベーションを推進することが我々の責務だ。

また、金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長は声明で「フィンテック、特にデジタル資産は、より包括的な金融システムを構築するためのツールとして大きな可能性を秘めている」と指摘。「我々は、新たな資産クラスについての監督と政策立案に対応する必要がある」と語った。

米政治メディアPoliticoによると、マクヘンリー委員長は「仮想通貨関連規制」を立法議案の最重要課題と捉えているという。同氏は、米国でイノベーションの発展を許容しつつ、消費者を保護する明確なルールの提供を目指して、ヒル議員と協力していくと述べた。

重要性を増す仮想通貨市場

下院金融サービス委員会は、旧フェイスブック主導のステーブルコイン「リブラ」プロジェクト(2019年発表)に対する公聴会や、ステーブルコイン規制に関する仮想通貨関連企業6社のトップを招いた公聴会(2021年)、また昨年経営破綻した大手取引所FTXに対する公聴会などを開催してきた。

マクヘンリー委員長は、同委員会が仮想通貨問題に取り組む時間が増える中、「委員会の構成方法に大きな穴がある」との考えを示し、仮想通貨に特化した新たな小委員会の設置につながった。

同委員会はこれまで、主に銀行やウォール・ストリートの金融企業と、その規制当局の監視に焦点を当ててきた。しかし、今回のデジタル資産小委員会の設置で、「仮想通貨が議会で金融規制の議題を支配するようになった」ことが強調された、とPoliticoは指摘している。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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