イーサリアムアプリ用の分散型RPCネットワーク「DRPC」がローンチ

分散型RPC「DRPC」が始動

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のインフラ・プロバイダーであるDRPCは、イーサリアムベースのアプリケーションのための分散型RPCネットワークを立ち上げた。

RPCは、現在ほとんどは中央集権的なプロバイダーによって提供されており、ブロックチェーンアプリがオフラインになったときに動作が停滞する可能性がある。DRPCは、グローバルに分散したプロバイダーのネットワークで分散型RPCのシステムを提供することで、この問題を解決するものだ。

RPCとは

英語でremote procedure callの略。仮想通貨アプリがブロックチェーンネットワークと通信するために使用するプロトコルである。イーサリアムを含め、多くのブロックチェーンのインフラ層の主要部分を形成している。

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DRPCは、「信頼性」「費用対効果」「セキュリティ」を強化するものだとして、次のように説明した。

15のプロバイダーにより、高い信頼性が維持されている。プロバイダーの1つでエラーが発生したり、利用できなくなったりした場合は、遅延、エラー率などに基づいて、自動的に代替プロバイダーに切り替わる。

コミュニティサポートも年中無休で対応している。

仮想通貨アプリのRPC負荷を、多くのプロバイダーに分散させる格好だ。

DRPCのConstantine Zaitcev最高製品責任者は、次のようにコメントした。

DRPCの登場により、イーサリアムのエンドツーエンドの分散化が実現する。ブロックチェーンとアプリケーション層に加え、インフラ層も分散化されることになる。

このような取り組みは、イーサリアムネットワークの成長を促すインフラであるRPCノードに対する信頼性を高めることにつながる。

DRPCは、今後数か月のうちに、イーサリアムに加えて、ポリゴン(MATIC)、Arbitrum、Optimismなど、他のイーサリアム仮想マシン(EVM)ベースのネットワークにも対応範囲を拡大する計画だ。DRPCは2月、RPCリクエスト処理について10億件を達成したところである。

DRPCの特徴

DRPCは、現在Web3コミュニティでは、RPCについて3つの主要なプレイヤー、すなわちAlchemy、Infura、QuickNodeを使用するdAppsが大半であり、中央集権的になっていると指摘。こうした状況で、分散型のRPCサービスが注目されていると述べた。

DRPCは、その分散型RPC「DRPC」の特徴として、以下のような項目を挙げている。

  • 世界中の数多くのRPCプロバイダが参加
  • 柔軟なスケーラビリティ(拡張可能性)と処理速度を実現
  • オークションモデルに基づくベストプライスを実現
  • 仮想通貨ウォレットにより簡単にRPCサービスを利用開始できる
  • RPCプロバイダーへの支払いをステーブルコインで行える

EVMとは

スマートコントラクトを実行するための「翻訳機」として機能する。イーサリアムクライアントのネットワークに保持されるステートマシン(入力条件と現在の状態によって次の状態が決まる論理回路)であり、ブロック生成の度にトランザクションやスマートコントラクトを実行してネットワークの状態を計算する役割を担う。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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