元コインベースCTO、ビットコイン100万ドル到達の賭けに敗れる

期日より早い決着

 

元Coinbase最高技術責任者のBalaji Srinivasan氏は2日、90日間でビットコインが100万ドル(1億3,450万円相当)まで急騰するという賭けに負けたと発表した。

彼ら(政府)が何兆ドルも刷っていることを知らせるために、ちょうど100万ドルを燃やしたところだ。

Srinivasan氏は、米シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻直後の3月18日、米国でハイパーインフレが起こり、経済が破綻する可能性を警告するため、ビットコインが「今後90日で100万ドルに到達する」という無謀とも言える賭けに打って出た。きっかけは、「米国がハイパーインフレにならないことに100万ドル賭ける」というツイートだった。

関連:元コインベースCTOが米ドルのハイパーインフレに警鐘、ビットコイン100万ドル到達に賭ける

勝敗が決まる期日まで45日を残しながらも、同氏は賭けの相手であるツイッターの投稿主James Medlock氏(ペンネーム)と、双方合意の上で賭けを終了したという。合意した内容は以下の通り。

  • Medlock氏へ500万ドルを支払う
  • 非営利団体「Give Directly」に500万ドルを寄付
  • ビットコイン・コアの開発に500万ドルを寄付

賭金より多い150万ドルを拠出した理由についてSrinivasan氏は、経済状態の悪化について政府の発する情報には頼ることができないと主張。イエレン米財務長官は、2008年のリーマンショックの際に危機の到来を知りながらも、警鐘を鳴らさなかったと非難した。

だからこそ、自分のお金を使って「単なる金融危機だけではなく、法定通貨の危機である」経済の問題について知らせるため、「費用が嵩む実証できる警告」を発することにしたのだという。

2008年との類似点

Srinivasan氏は、現在の米国の状況と2008年のリーマンショック前の状況の類似点を指摘している。

2008年4月10日、当時のベン・バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、大規模な銀行破綻に介入後 、米国は「軽い景気後退に直面しているかもしれない」と発言。その158日後、世界的な金融危機が起こり、社会が状況を把握する前に「ウォール街は出口に逃げ込み、何兆ドルもの印刷」が開始された。

2023年4月13日、ジェローム・パウエルFRB議長は大規模な銀行破綻に介入後、市場の懸念を払拭するかのようにバーナンキ元議長と同様の発言を行った。

Srinivasan氏は、今日「2008年にはできなかった方法で、世界はFRBの支配から逃れることができるようになった」ため、「FRBによって引き起こされる次の世界的なメルトダウンの早期警告は、公共の利益にとって100万ドル以上の価値がある」と主張した。

Srinivasan氏は、米国がデフォルトに陥る時期の可能性について、数ヶ月以内が10%、数年が70%、数十年が19%、数百年で起こる可能性は1%と予想している。

一方、ツイッターのアンケート(13,978投票)によると、50.5%が数年、28.4%が数ヶ月でデフォルトが起こると予想する結果となった。

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