米Ark Invest、SECの提訴日にコインベース株30億円相当を購入

コインベース株を大量買い増し

米大手ヘッジファンドARK Invest(以下、ARK)が、米証券取引委員会(SEC)が提訴を発表した6日に、30億円(2,160万ドル)相当のコインベース株を追加購入していたことが、取引開示により明らかになった。

ARKは、2014年に設立された大手投資ファンド。テック系企業やブロックチェーン企業に積極投資しており、創設者兼CEOのキャシー・ウッド氏は、ビットコインの100万ドル到達予想を公言するなど、暗号資産(仮想通貨)に強気の態度で知られている。

6日のコインベース( COIN)の株価は終値で、11.4%下落。ARKは主力商品の「Ark Innovation ETF」で約33万株(1,700万ドル)、その他二つの小型ファンド(Ark Next Generation Internet ETF、Ark Fintech Innovation ETF)で約8万9,600株(460万ドル)を購入した。

ブルームバーグによると、ARKはコインベース株の保有者として第4位を占めるという。ARKがコインベース株の下落場面で追加購入に踏み切ったのは今回ばかりではない。3月に仮想通貨に特化したシルバーゲート銀行の破綻を受け、コインベース株が8%下落した際には、約28億円(2,000万ドル)相当、35万株以上を購入した。

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ウッド氏の論理

ARKのウッドCEOは8日のブルームバーグのインタビューで、コインベースとバイナンスの訴訟内容の違いに言及し、最終的にコインベースを利する結果になるだろうとの考えを披露した。

ウッド氏はバイナンスは詐欺など「より犯罪的な活動」で提訴され、深刻なものであるのに対し、コインベースの場合は証券法違反の範疇であり、訴訟内容が大きく異なることを強調。バイナンスが、より大きな逆風に直面し、コインベースの「ライバルがいなくなる」ことは、長期的にはコインベースにとって良いことだと述べた。

また、SECがバイナンスを提訴した翌日にコインベースを提訴したことについては「興味深い」としながらも、訴訟内容が大きく異なるのにも関わらず、ゲンスラーSEC委員長がバイナンスとコインベースの訴訟を同じ括りで扱っていることを強く批判した。

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ビットコインに強気

ウッド氏は、ビットコインに対する強気の姿勢を崩していない。

同氏はインタビューで、「世界経済の不透明さが増し、ボラティリティが高まる中では、ビットコインに対する信頼が増すことになる」と主張。透明性の高いブロックチェーン上の記録を根拠に、「ビットコインは従来の金融システムにおける、カウンターバーティリスクに対する防御手段となる」と説明した。

また、同氏は人工知能(AI)技術についても強気のようだ。「AIはイノベーションにとって最大の触媒となる」と述べ、AIがブロックチェーン技術、ロボット工学、エネルギー貯蔵などの他のイノベーションを加速することになると主張した。

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