アディダス、新たなWeb3アーティスト支援プロジェクト開始 新作の限定版NFTを販売
アーティストをサポート
スポーツ・ファッションブランド大手のアディダスは8月31日、新たなデジタルアート・プログラム「Residency by adidas」のローンチを発表。選ばれた二人のデジタル・アーティストがNFT(非代替性トークン)作品を創作し、来週ソウルで開催されるデジタルアート展覧会「The Gateway Korea」 にて公開・販売される。
このプログラムは、Web3アーティストの育成を目的としたレジデンス・プログラム(一定期間、リサーチや制作を行うプログラム)で、アディダス初の試みとなる。アディダスが設立したWeb3スタジオ「Adidas/// Studio」(アディダス・スリーアローズ・スタジオ)が主導する。
アディダスは、プログラムを通して協業、共創、革新というブランドの原則に共鳴するアーティストを支援することで、同社の理念である「アート、アイデンティティ、創造的表現」の融合を目指している。
Adidas///Studioのグローバル・コミュニケーションを統括するステイシー・キング氏は、Web3分野に参入するアーティストの多くには、主要なプラットフォームがほとんどなく、重要なリソースへのアクセスや発表の機会が限られていると指摘。同社のレジデンス・プログラムは、そのギャップを埋めるように設計されており、アーティストにWeb3環境で活躍するための必要なツールとプラットフォームを提供するものだという。
具体的には、イベントやパネルディスカッションをはじめ、さまざまなマーケティングを通じて、アーティストに著名なプラットフォームを提供することで、アーティストの成長を促すとキング氏は述べた。アーティストが、ブランドとその熱心なファンやコレクターと繋がる道筋を切り拓くものだ。
9月4日から10日にかけて開催される韓国ブロックチェーンウィークが、プログラムとレジデンス・アーティストにとっての、初めてのお披露目の舞台となる。キング氏とアーティストらによるX(旧ツイッター)スペース(音声ライブ配信)も企画されているようだ。
Web3領域に注力
アディダスは2021年にWeb3領域に参入し、ブランド初となるNFTコレクション「Into The Metaverse」をリリース。人気NFTの「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」や「PUNKS comics」などとコラボした計29,620枚のNFTで、26億円の売上を記録した。
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2022年1月には、イタリアの高級ブランド「プラダ」とのコラボNFTを発表。同年6月には大規模なNFTのエアドロップを実施後、11月にはバーチャル限定ウェアをローンチするなど、Web3領域で先駆的な動きを続けてきた。
アディダスは、「Into The Metaverse」に続く戦略として2023年4月に「Alts by Adidas」をローンチ。アディダスのNFT構想のフェーズ3という位置付けで、NFTの表示を変化させる機能を持つダイナミックNFTとして展開されている。Altsを所有することで、エコシステムの参加権やバーチャルウエア・アイテムへのアクセス権、商業用知的財産権(IP)の取得など、さまざまな特典が用意されている。
今回ローンチされたレジデンス・プログラムでは今後、デジタル、現物、リンクでさまざまなドロップが計画されており、デジタルAltsと並行して実施される予定だという。
二人のアーティスト
支援プログラムで最初に選ばれたアーティストは、東京を拠点に活動するMonkeeMotoと、「Dear Nostalgia」として知られるレバノン人アーティスト、Adra Kandilだ。
両アーティストの新たに制作された作品は、プレミア限定版NFTとオープン版NFTとして9月6日から購入可能になる。
限定版はアーティスト一人につき100枚で、韓国ブロックチェーンウィークのローンチイベントの参加者のみが入手できるパーカーが含まれている。値段は0.15 ETHに設定されている(オープン版は0.03ETH)。
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