リップル社 SWELL2日目まとめ|XRPの有価証券問題など規制討論、700社を対象とする調査書も公開
- SWELL2日目が開幕
- SWELL2日目が開幕し、仮想通貨規制に関する議論や、リップルの有価証券問題など、重要な課題について意見が交わされた。
2日目の最新まとめを公開
仮想通貨XRPのイベント「SWELL」の1日目を振り返る動画かこちらから。
SWELL二日目が開幕
10月1日から2日にかけて開催されている米リップル社が主催する国際カンファレンス「SWELL 2018」。
昨日xRapidの商用化正式発表など注目の内容 が発表された1日目を終え、日本時間3日午前2時よりSWELL2日目が開幕した。
本日の注目内容は以下の通り。
1.マーケティング戦略チーフが調査結果
2.世界各国の規制とXRPの証券問題について
3.700以上の送金企業を対象とした公式レポートの公開
SWELL2日目のスピーチ内容
リップル社マーケティング戦略チーフが調査結果を報告
現在約1100兆円以上の資金がノストロ・アカウントに保管されていることを「そのような非効率的な使い方は今の経済では許されないことだ。」と指摘。
また現在、国際送金のスタンダードとされるSWIFTに関しても以下のように言及した。
どの銀行がどのような額を請求するかは誰も知らない。
送金会社はお金を得るか、失うか、誰にも分からないのが現状だ。
リップル社はどの企業よりも先を行っていると主張
さらに仮想通貨の価値については希少価値や価値の保存手段としてではなく、使用事例にあると予想した上で、リップル社は「どの企業よりも先をいっている」と強気な姿勢を示した。
講演後、観客からの「企業のブロックチェーンはパブリック、プライベートまたはそのハイブリッドとなるか」という質問に対して、
多くの企業が喜んで「電子資産」を迎え入れている。
と明確な答えを避けた。
仮想通貨規制に関して
ニューヨーク州における仮想通貨関連ライセンスとなるBitLicenseを考案したBen Lawsky氏(現在リップル社の役員)が登壇し、仮想通貨業界における規制に関して、以下のように語った。
2013年より我々ニューヨーク金融サービス局は、まず(規制対象を)学ぶことから始めることが、最終的に多くの重要な金融機関の参入することに繋がると思っていた。
国際通貨基金(IMF)における法務部の副長官を務めるRoss Leckow氏は以下のように述べ、仮想通貨に関する前向きな立場を示した。
「IMFNewsは暗号資産に対して他のコメンテーターに比べて、より公平なスタンスを取っている。暗号資産は、マネーロンダリングとテロが悪用するリスクはあるが、国際金融システムをより効率的且つ包摂にし得る。」
我々は未だ若い団体であるため、既存体制との両立を懸念する必要がない。(規制決定が可能な)スピードは有利だと自負している。
と昨年10月、ICOに関する公式ガイドラインを発表したアブダビに拠点を置くAbu Dhabi Global MarketsのCEO、Teng氏は述べた。
タイの証券取引委員会(タイSEC)フィンテック部門のディレクター、Suppiroj氏も
これらも課題はすぐに消えるものではない。(何もせずに)目を閉じていれば手に負えない状況になってしまう。
と加え、規制の必要性を指摘した。
SECに関連する経歴を持つ人物の重要発言
また以前アメリカの証券取引委員会(米SEC)で8年間首席弁護士を歴任したMichael Didiuk氏はXRPは有価証券ではないと以下のように説明した。
XRPは有価証券ではなく、通貨であると認識している。理由はHowey(ハウェイ)Testだ。
Howey Testは4つの項目全てに該当しなければならないが、仮想通貨XRPはリップル社がなくなったとしても十分機能できる。
Howeyテストとは
特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めた。いくつかのICOプロジェクトがこのテストスコアを計算して、トークンの「証券性」を検証している。
長年、アメリカのSECで務めた経歴を持つDidiuk氏はSECが仮想通貨に対してサプライズで決断を下す可能性について以下のように言及した。
もし過去3、4年間通貨として扱われていたものが急に有価証券として見なされた場合、それは大きなリップルエフェクト(波及効果)を起こすだろう。
Eコマースに関して
ブロックチェーンと仮想通貨に関わるEコマース(ネット通販など)という討論テーマにて、ネット通販大手eBayの元CPOであるPittman氏は、以下のように述べた。国際送金システムの機能を保守すること(銀行のインフラ等)はとても面倒であるが、指数関数的成長を遂げているEコマースとグローバル決済という市場へ参入すれば、利益を得るのは簡単だ。
またブロックチェーンは事実上、移動する価値のTCP/IPである。そして、仮想通貨は、クロスボーダー取引を潤滑する仲介通貨としての最も評価できる初のユースケースとなった。
サイアム商業銀行|リップルネットの成功例
今後5〜8年、銀行の生存は厳しくなる。(サイアム商業銀行は)どのようにして重要性を保つか模索していた時、アグレッシブに共に成長できるリップル社のような企業を求めていたんだ。
国境を跨いだ送金取引において、どのようにシームレス化や簡易さを実現していくかを模索していた。ブロックチェーンという響きも注目を集めると考えた。
700以上の送金企業を対象とした公式レポートの公開
今回のSwell二日目、Cory Johnson氏と共に登壇したCelent社シニアアナリストのAlenka Grealish氏は世界22カ国で事業を展開している700以上の送金企業を対象とした『決済におけるブロックチェーン報告』を発表した。
同報告書は、ブロックチェーンの採択や電子資産(仮想通貨)に対する関心を示している。
※現在、ボストン・コンサルティング・グループのデータによると、グローバル市場における国際間送金高は、27兆ドルであり、今後8年間、更に20兆ドルの成長は見込める模様だ。
調査結果の概要:ブロックチェーンの普及に転換期間近
今年、決済用ブロックチェーンを実験から商品化段階へ
・回答企業の内、18%は決済用ブロックチェーンの商品化、もしくは商品化に近い段階にある。
ブログチェーンの普及への転換期は間近
・45%はすでに商品開発やパイロットを試行中、またはブロックチェーンプロバイダーとの提携を行っていると返答。
デジタルアセット(仮想通貨)による決済は大きな関心を引き寄せている
・75%の回答企業は、デジタルアセットを決済/基軸通貨に用いることに非常に、またはかなり大きな関心を寄せている。
増幅するブロックチェーンの接続性はデジタルアセット(仮想通貨)の普及を促進する
・ブロックチェーン商品を利用する85%の企業とその商品を採用しようとする90%の企業は、デジタルアセットを決済手段として用いることに非常に興味を持っていると答えた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します