ビットコイン37000ドル台維持、弱含みのアルトコイン相場は大規模アンロック警戒も
マクロ経済と金融市場
前週末24日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比56.6ドル(0.16%)安、ナスダック指数は9.8ポイント(0.06%)安と上昇を一服して取引を終えた。
暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのチャンポン・ジャオCEO退任を受け、米コインベースの株価が18ヶ月ぶりの高値となる119.7ドルを回復した。バイナンスからは顧客の資金流出が続く一方で、競合他社のシェア奪還が見込まれるとする市場予想が背景にある。
しかし、強気相場のピークである21年11月の最高値343ドルと比較すると半値以下に留まり、ビットコイン(BTC)など今後の暗号資産相場環境に左右されることが想定される。
コインベース株は今年6月、米SEC(証券取引委員会)から「米証券法違反」として提訴され暴落したが、その後ビットコインETF(上場投資信託)の承認期待を背景にしたBTC高騰に伴い大きく反発した。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.88%安の1BTC=37,157ドルに。
米SEC(証券取引委員会)との裁判が勝勢にあるほか、ビットコインETF(上場投資信託)に対する市場の楽観的な見方が強まるにつれ、投資ファンド「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC))の市場価格乖離(ディスカウント)は-8%台にまで縮小した。
FTX破綻後の22年12月には、マイナス乖離が-50%近くにまで達する場面もみられた。
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バイナンスの問題解決でビットコインETF(上場投資信託)の承認プロセスが迅速化されるとの楽観的な見方がある一方、バイナンスに対する米証券取引委員会(SEC)の調査で市場操作やその他の不正行為が明らかになった場合、ビットコインやイーサリアムの現物ETFの承認が遅れる可能性があるとの悲観的な見方もある。
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オンチェーン分析企業のSantimentは、先日までのビットコイン高騰についてステーブルコインの影響を分析した。
8月19日から10月16日にかけて、テザー(USDT)の全供給量の3.54%、USDCの全供給量の0.72%が暗号資産取引所に送金されたという。メタマスクなどに保管していた資金を用いて、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨を買ったことを示唆している。
なお、暗号資産(仮想通貨)アナリストのAli氏によれば、過去2週間で10億ドル相当の約25,000BTCが暗号資産取引所から引き出されており、長期保有を前提にコールドウォレットなどに送金する強気の蓄積パターンを示唆した。
アルトコイン市場
複数の主要アルトにおいては、12月上旬からベンチャーキャピタル(VC)や初期投資家などの大規模なトークンアンロックを伴う売り圧力の増加が見込まれることもあり、過熱感のあったアルト相場沈静化に拍車をかけた。
710億円相当の4.8億ドルがアンロックされるdYdX(DYDX)をはじめ、Immutable X(IMX)5000万ドル相当、Optimism(OP)4150万ドル、Sui(SUI)4090万ドル、1inch(1INCH)3370万ドルが含まれる。
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