英バークレイズ銀行、仮想通貨取引プロジェクトを中止か|Financial Newsが報道

英バークレイズが仮想通貨プロジェクトを中止と報じられる
英国の大手投資銀行バークレイズが、開設を予定していたとされる「仮想通貨取引プロジェクト」を中止していたと報じられた。関係者は「保留」と表現している模様だが、現時点で公式声明はなく、過去の例から注意も必要だ。

Barclaysが仮想通貨プロジェクトを中止と報じられる

英オンライン・ニュースサイト、Financial Newsの報道によると、英ロンドンに本拠を置く国際金融の雄「バークレイズ」は、今年9月に仮想通貨取引参入への布石とも言える「デジタル資産プロジェクト」を棚上げし、その責任者であったChris Tyrer氏が、同銀行を去ったとされる。

バークレイズ関連の動き

バークレイズが仮想通貨取引トレーディングデスクを開設を検討しているという噂は、今年4月頃から業界内で囁かれており、その動向が注目されていたが、バークレイズ側は、一貫して否定していた経緯がある。

しかし、その動きに確証が高まったのは8月、世界最大級のビジネス特化型ソーシャルネットワーク、LinkedInへの投稿だ。

バークレイズのエネルギー取引グローバル部門のトップを務めていたChris Tyrer氏が今年1月以来、「デジタル資産プロジェクト」を率いる責任者となっていた(記載されていた)ことが判明した。

さらに、同投資銀行部門CTOで、ブロックチェーン技術研究チームを率いているLee Braine博士、そしてFXおよび新興市場マクロ戦略部門トップのMarvin Barth氏もこのプロジェクトに参加していたことなどから、バークレイズの仮想通貨取引への本気度を表すものとして、話題となっていた。

なお、この「デジタル資産プロジェクト」は、仮想通貨が単なる一時的ブームではなく、長期的な資産クラスとなる可能性について判断し、顧客の関心度を測り、関連する製品やサービスを提供するために必要となるITインフラ構築投資について検討するものであったと報道されている

しかし、いずれも公式声明が出されているわけではなく、バークレイズは今回の件に関してのコメントを控えているため、プロジェクト中止の事実確認、及び棚上げになったとする詳しい理由は明らかにされていない。

過去の見解

バークレイズの最高経営責任者(CEO)であるJes Staley氏は、5月に行われた同行の年次総会で、「銀行が関与したくない活動に、仮想通貨が使用される可能性がある」と、仮想通貨取引に対する懸念を表明している。

一方で、バークレイズは、銀行や金融仲介業者による「法廷通貨に裏づけられたデジタル通貨の作成と発行」を可能にするブロックチェーンシステムの特許を出願、また、米最大の仮想通貨取引所Coinbaseが、同行に口座を開設し、提携している。

注意も必要

海外仮想通貨メディアもFinancialNewsの報道を元に報道を行っているが、あくまでも「関係者の証言」であるとしていることから、運営側との意見に齟齬が生じる可能性もあるため、公式の声明は待たれている状況だ。

過去にも、大手金融機関の仮想通貨トレーディングデスク開設に関するニュースの一件が、情報筋の声と公式の声明とで違うことが問題となった。

各メディアがこぞって報道したことで、仮想通貨相場に大きな影響を与えた「ビットコイン取引デスク開設計画の中止」に関して、翌日、「フェイクニュース」であるとして、同行の最高財務責任者自ら否定するという劇的な展開があった。しかし、開設の明確な時期については、明らかにはされていない。

その一方で、ゴールドマン・サックス社は、機関投資家の参入を促す重要な要素である、カストディサービスの展開については、前向きな姿勢を示している。

相次ぐ機関投資家の参入

機関投資家自体の仮想通貨関連の動きは、強まっている。

アメリカの主要大学基金が、仮想通貨投資を始めていることが報道されている。

ハーバード大学、イェール大学、ダートマス大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、スタンフォード大学、ノースカロライナ大学といった、少なくとも6つの著名大学基金が、投資ファンドを通して、仮想通貨に投資していることが明らかになった。

また本日、世界最大級の金融サービスプロバイダーFidelityが、新たに仮想通貨関連企業Fidelity Digital Asset Servicesを設立を発表、トレーディングデスクの開設も明らかになっている。

大手金融機関の足並みは揃わないようだが、機関投資家による仮想通貨への参入は、確実に増え続けていることは間違いないだろう。

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