TONブロックチェーン、2日間で2度の障害が発生 現在は復旧 DOGSトークンのトランザクションで過剰な負荷

ブロック生成に障害発生

メッセージアプリ、テレグラム発のThe Open Network(TON)ブロックチェーンで29日の日本時間午前4時19分、2度目のブロック生成障害が発生した。現在は復旧している。

この障害は、TON基盤のミームコイン「DOGS」トークンの鋳造によるネットワークへの多大な負荷に起因すると考えられるとTONチームは説明。ユーザーの資産は安全だと付け加えた。

最初の障害が発生したのは、28日の日本時間午前8時すぎで、約6時間にわたりブロック生成が停止した。TONチームによると、ネットワークに「異常な負荷」がかかったことにより、障害が発生し、複数のバリデーターが、データベースから古いトランザクションを消去できずに、コンセンサスが失われたという。

TONネットワークは現在、完全に復旧しており、テレグラムの公式チャンネル「Wallet News」は、まもなくウォレットへのTON基盤の資産の引き出しと預け入れが記録されると発表した。

DOGSトークンのエアドロップ

今回の障害の原因となったDOGSトークンのエアドロップは、テレグラムの創設者兼CEOのパベル・ドゥーロフ氏が、24日にフランス当局によって突然、逮捕・拘束されたのは不当だとの意識を高める取り組みの一環として、TON財団が実施した。

TONコミュニティを代表する独立団体「Open Network Society」(TONソサエティ)は27日、ドゥーロフ氏の即時釈放を求める公開書簡をフランス当局に提出。同氏の拘束は、「基本的人権への直接的な攻撃であり、言論の自由の原則の侵害である」と強く非難し、直ちに釈放するように求めた。

書簡では、国連と欧州評議会、欧州安全保障協力機構、欧州連合、並びにその他、関係政府に対し、フランスの行動に異議を唱え、オンラインにおける自由という基本的権利を擁護するよう求めた。

さらに、全てのテクノロジーおよびソーシャルメディアプラットフォームに対し、根拠のない法律を超越した命令に対しては、ユーザーの権利を死守するよう呼びかけた。

TONソサエティは同時にオンラインで、フランスにドゥーロフ氏の釈放を求めるイニシアチブを開始。テレグラム上で、プライバシーと言論の自由を訴える公開書簡に署名するよう訴えた。現在、300万を超える署名が集まっているようだ。

ドゥーロフ氏の釈放と起訴

米フォックス・ニュースの報道によると、フランスの検察当局は28日、500万ユーロ(約8億円)の保釈金でドゥーロフ氏を釈放した。同氏には週に2回の警察への出頭が命じられ、捜査終了までフランスからの出国が禁じられた。

検察は釈放後にドゥーロフ氏を正式に起訴。同氏は「組織的グループによる違法取引を可能にするオンラインプラットフォームの管理に加担した」とされ、最高10年の懲役と50万ユーロ(約8,000万円)につながる可能性がある。

ドゥーロフ氏の逮捕後、動画プラットフォームRumbleの創設者兼CEOであるクリス・パブロフスキー氏は、フランス政府の同プラットフォームに対する「脅迫的」姿勢と、言論の自由を擁護する他の企業幹部を拘束する可能性を理由に、ヨーロッパを去った。

ドゥーロフ氏の逮捕に関しては、同氏の出身国であるロシアが、西側諸国の言論の自由に対する二重基準だとして抗議の声をあげ、イーロン・マスク氏やロバート・ケネディ・ジュニア氏などの著名人も同氏を擁護する立場を明らかにした。

仮想通貨業界からも、イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏やTRONのジャスティン・サン創設者、ソラナのアナトリー・ヤコベンコ共同創設者などが、ドゥーロフ氏への支持を表明している。

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