資産運用大手フィデリティの機関投資家向け仮想通貨取引デスクに「リップル(XRP)上場」の可能性が浮上|ビットコインに続く動き

資産運用大手「フィデリティ」、仮想通貨XRPなども検討か
世界最大級の金融企業Fidelityは、時価総額トップ5〜7の仮想通貨を2019年Q1に予定する「機関投資家向け仮想通貨取引デスク」に追加する事を検討している事が明らかになった。また、XRPの有価証券性にも期待感高まる動きとして注目されている。

Fidelityは取引対応通貨を拡大

Fidelity Investmentsが、時価総額トップ5~7(XRPなど)の仮想通貨を、同社提供する新設の仮想通貨取引デスクに追加することを検討している、と米大手仮想通貨メディアCoindeskが報道した。

先月、世界最大級の金融企業Fidelity(フィデリティ)は、「Fidelity Digital Asset Services」という仮想通貨関連企業を設立し、機関投資家向けの取引デスクおよびカストディサービスの提供を2019年にQ1(日本では1月から3月)に予定すると発表していたが、当時の報道では、ビットコインとイーサリアムのみが取扱通貨として挙がっていたことから、新たにXRPなどが追加される可能性が浮上した格好だ。

取引デスク発表当時、イーサはまだ時価総額2位であったが、その後の仮想通貨市場暴落の影響を大きく受けたイーサリアムが3位に転落、XRPが2位に浮上している。

Fidelityが機関投資家向けの仮想通貨サービス提供へ 世界最大級の金融サービスプロバイダ...

米時間29日〜30日、ニューヨークで開催された金融機関中心のカンファレンス『Block|FS』にて、Fidelity Digital Asset ServicesのトップTom Jessop氏が登壇、Coindeskの質問「今後ビットコインとイーサリアム以外の仮想通貨に対する追加計画」に対して、現在の方針を話している。

初期はトップ5〜7の通貨リスト

Tom Jessop氏は、まず最初の両通貨について、このように答えた。

我々は、クライアント本位の方針を取っており、1万3千以上のクライアントがビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に興味を示しているのは、それらの時価総額が最も高かったからだ。

そして、同氏はそれ以外の通貨の追加方針に関して、以下のように発言した。

ビットコインとイーサリアムに次ぐラインキング4〜5の仮想通貨に対する需要も(顧客から)あるため、我々は、それたの上場も検討している。

セキュリティ・トークンや証券に見なされそうなトークンに関しては、今後の発展を様子見というスタンスを取っているが、現時点ではそれらの通貨に対しては、顧客から興味を示されていないため、まずは、トップ5〜7の通貨にフォーカスすることが最優先に考えている。

XRPに関する有価証券性で注目される

今回Fidelityの発言を元に期待感が上昇しているのが、XRPの有価証券性だ。

今回の発言では、有価証券に該当する通貨の上場は避けるとしながらも、XRPやStellarなどが含まれていると考えられる上位通貨の上場を優先する旨を強調した。

同発言や、世界最大級の資産運用額を有するフィデリティ(金融サービスプロバイダー)である点からも、XRPが有価証券に該当しないのではないかという期待感もみられ始めている。

米規制当局有価証券問題について

仮想通貨の有価証券問題に関して、米SECによる動向は最近になって多く見られるようになっている。

XRPに関して

まず、米国時間11月27日、ニューヨーク市で開催された大型仮想通貨カンファレンスの投資家向けイベント、Consensus Investに登壇した、SECの長官を務めるJay Clayton氏は、ビットコインに対して、再び「有価証券ではない」と断言した。

米SECの長官を務めるJay Clayton氏は米国27日に開催された大型カンファレンスConsensus Investで登壇し、ビットコインETFや仮想通貨の有価証券問題等について言及したことが注目を集めている。また未だ不透明なままのリップルの証券性についても触れた。

しかし、XRPの有価証券であるかどうかという問題に対して、同ステージにてベテラン経済アドバイザーGlenn Hutchins氏からClayton氏に対して行われたものの、Clayton氏は、明言を避けながらも、以下のように発言し、

我々は企業やICO発行側と具体的な状況を話すことに対してオープンだ。

ある質問(XRPに関する質問)に関して言えるのは、断定的な返答を示すには大量の情報が必要であることだ。

とClayton氏は仮想通貨XRPの名称を挙げることもしなかった

またClayton氏は、現在米国の規制環境は明確なルールよりも行動規範を元に取り締まりを行なっていると言い、仮想通貨はそれぞれ異なるため、ケースバイケースで規制していくと方針を明かした。

ICOに関して

さらに、最近SECのICOに関する重要な取り締まりを以下のようにまとめた。

  • 分散型取引所EtherDeltaを未登録証券取引所とみなし、創設者を告訴し、罰金を課した。
  • 2つのICOプロジェクトを有価証券として、罰金を課した

また、昨日、米CFTCは『スマートコントラクト』に対する教育本位の入門書を発表し、「スマートコントラクトが既存の金融規制に該当する点」と明記されており、SECとCFTCが今後どのように仮想通貨・ICOトークンを取り締まりの対象として取り扱っていくか注目すべきだと言える。

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