米国決済プラットフォームCEO「仮想通貨業界の今後」を語る

Metal PayのCEO、決済業界を語る
海外メディアが、Metal Payの創業者兼CEOであるMarshall Hayner氏に単独インタビューを行い、仮想通貨業界の今後について彼の見方を尋ねた。
社会からの受け入れには、技術への理解が鍵
仮想通貨が社会に受け入れられるには、技術への理解が重要であるという。そのためにも、まずは人々にリスクなく仮想通貨技術で遊んでもらい、理解を深めてもらうべきだとした。一方で、アプリとしての価値が問われる企業レベルでは、技術の受け入れが迅速に進んでいるという。

Metal PayのCEO、決済業界を語る

海外仮想通貨メディアのCRYPTOGLOBEが、Metal Payの創業者兼CEOであるMarshall Hayner氏(以下Hayner氏)に単独インタビューを行い、仮想通貨業界の今後について彼の見方を尋ねた。

Metal Payは、米国内34もの州でサービス稼働中の決済アプリだ。

機関投資家の仮想通貨市場参入を阻む要因は一体何なのかという質問に対し、 Hayner氏はどうしても機関投資家の存在が市場成長に必要という訳ではないとしながらも、課題として機関投資家の要求するレベルのトレーディングデスクやソフトウェアが揃っていない事実について言及した。

同氏によれば、バスケットファンドを含むBitcoin ETFはおろか、仮想ファンドの電子取引すら始まっていないという。

仮想通貨を実際使ってもらうには、安心感のある保管が重要

Hayner氏が世に送り出したMetal Payには、仮想通貨を実際に使えるものにするという理念に基づく。

それと比べて、インタビュアーが保管ソリューション(カストディアルソリューション)について意見を聞くと、彼は保管の重要性を強調した。

Metal Payのユーザーには、仮想通貨にも銀行の現金預金と同じ安心感を持って欲しいと考えているという。

そのために、Metal Payには、銀行と同様の米国連邦預金保険公社(FDIC)による預金保険が掛けられている。

市場の下落は、技術の揺るぎによるものではない

直近のイーサリアム相場の下落については、「ICOバブルやよくある行き過ぎた発展への期待」によるものだとHayner氏は考えており、今回の下落はイーサリアムの技術やコンセプトへの懐疑から発生したものではないと述べた。

同氏はイーサリアムのプラットフォーム上で開発されるdAppsに強い期待を寄せる。

分散型送金と同様にブロックチェーン技術がもたらした、多様なユースケースを可能にするdAppsのコンセプトを評価しているのだ。

仮想通貨が社会に受け入れられるには、技術への理解が鍵

社会的要因の面から、仮想通貨市場の成熟に必要なものは何だろうか。

この疑問に対しては、Hayner氏は仮想通貨とブロックチェーン技術への一般理解が進むことが必要と答えた。

世間の人々にとって、仮想通貨と聞いて頭に思い浮かぶのは、不正や価格バブルといったネガティブなイメージだ。

仮想通貨の個人投資家たちにも同じことが言え、昨年仮想通貨市場から去っていった集団を見ると、今でも熱心に仮想通貨を支持する人々と違って検閲への抵抗やデジタルな希少性、仲介者の有無といったトピックを議論するようなことがなかった。

実際、仮想通貨やブロックチェーン技術が持つ真の可能性やユースケースについて、個人投資家が語り合うことは少ない。

市場を成熟させるには、仮想通貨やブロックチェーンのテクノロジーで消費者にリスクなく遊んでもらう機会を作り、仮想通貨の真の価値について理解を促す努力が必要と語った。

企業レベルでの技術受け入れは進み、プラットフォーマーも導入

一方で、前述のような個人レベルでの未理解と異なり、価値の有無で技術への評価が行われる企業レベルでは、仮想通貨業界は素早く受け入れられつつあるとHayner氏は語る。

同氏は、アマゾンウェブサービスにブロックチェーンが導入されたことを例に挙げ、そのほかのデジタルプラットフォーマーもこれに続くはずだと話した。

使わせることで理解は深まる

Hayner氏がCEOを務めるMetal Payの類似例として、アメリカSignature Bankによる法人向け決済プラットフォーム「Signet」が2019年1月にサービス開始することをお知らせした。

Signetに預けられた預金もMetal Payと同様に米国連邦預金保険公社(FDIC)によって資金が保証される。

法人顧客の間で、取引手数料なしでリアルタイム資金転送が可能であることから、まずはリスクなく技術に触れて理解を深めてもらうべきというHayner氏の主張にも沿うサービスだろう。

実際に使われることで仮想通貨への理解は深まり、また各通貨に使われた技術の実用性も問われることになる。

例えば、先月リップル社の最高戦略責任者であるCory Johnson氏は、XRPが今やビットコインよりも実用されるコインであり、ビットコインネットワークを超える技術によって支えられていることを強調した。

同社は、既に150以上の金融機関と提携を結んでおり、企業レベルで仮想通貨業界を主流に乗せる急先鋒であると言えるだろう。

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