仮想通貨関連スタートアップのベンチャー資金調達頓挫|下落相場が要因

直近の仮想通貨関連スタートアップのVCファンドは水の泡
米仮想通貨VC企業DCG社のCEOは、ここひと月ベンチャーファンドによる多くの仮想通貨関連企業の資金調達が中絶に終わったと明かした。一方では、仮想通貨取引所ErisXのように巨額の資金調達に成功したケースもある。

仮想通貨企業にとって正念場となる時期

ブロックチェーン関連企業への投資を主とするVCファンドDigital Currency Group社(米仮想通貨メディアCoindeskの親企業)のCEO、Barry Silbert氏によると、現在12ヶ月に及ぶ弱気相場を受け、ここひと月で、6社以上仮想通貨VCの資金調達は中絶(シリーズB以降の段階)に終わっているであるという。

CoinbaseやRipple、bitflyerなど仮想通貨業界における大規模な企業のファンディングにも関わってきた同氏は、それについて以下のように語った。

我々はここ一ヶ月、6社以上の資金調達が頓挫するのをみてきた。事業の設立者にとっては、サインされたタームシートは実際のお金とイコールすることではないことを知るよい機会になったか。

大手仮想通貨交換所ShapeShift社のCEO、Erik Voorhees氏は、VCの傾向として、市場が弱気の時は撤退し、メディアによる盛り上げやユーザー利用、需要の増加など市場の再燃に伴い再び戻ってくると説明した。

VCは通常、中長期的投資(4~12年)をするので、すぐに撤退したのは、やはり単純にブームに便乗した証拠だ。タイミングを間違えているだろう。

また、そのような、長いものに巻かれるようなVCについて、Voorhees氏は「信念が足りない」と、批判している。

多額の資金調達に成功するスタートアップも

多くのVC企業が一旦の市場からの撤退をする一方で、Andreessen Horowitz社のような、今の市場の中でも投資を率いる動きを見せるVC企業もいくつかあると認識されている。

そして、ここ2、3ヶ月でも、数百万ドル以上の規模に及ぶ仮想通貨スタートアップへの投資がされた事例も見られた。

例を挙げると、NasdapやFidelityなどの大手企業、日本からはマネックスグループも含まれた21社による出資で、米国の規制に則った形でのデジタル資産先物と現物取引の提供を予定するErisX社は総額27.5億ドル(約31億円)の資金調達に成功している。

それについて、ErisX社のCEO、Thomas Chippas氏は、そのような主要な金融機関のサポートは同社の長期的な成長に寄与するとし、以下のように述べた。

主要な企業による金融サポートにより、ErisX社は、堅牢かつ安全で、規制に沿った形でのデジタル資産取引を、機関と個人の双方に提供する。資金調達は第二段階が終わり、我々の新たなプラットフォームの構築とチームの拡大を可能にしてくれた。

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新たな仮想通貨取引所ErisXがシリーズB投資ラウンドを完了し、総額31億円分の資金をナスダック、フィデリティ等の大手企業21社から調達した事を発表した。米CFTCの認可次第でビットコイン、イーサリアム、ライトコインの現物と先物取引を開始する予定。
新興仮想通貨取引所=ErisXの主要出資企業であるTD Ameritradeの重役は、出資し業界参入した理由について、「クライアントは規制された取引所に規制された商品を求める」と言及、ビットコイン投資の需要を強調した。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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