米FDA、医薬品の来歴追跡に向けブロックチェーンの試験的導入へ

米国食品医薬品庁(FDA)、医薬品の追跡に向けブロックチェーンを試験的に導入
米国食品医薬品庁(FDA)は、サプライチェーンの品質向上のために、ブロックチェーンを医薬品業界に導入する計画を発表した。現在プロジェクト参加企業を募っている。

米保険当局、医薬品の来歴追跡に向けブロックチェーンを試験的に導入する計画

8日、米国食品医薬品庁(FDA)の最高責任者は、医薬品のサプライチェーンの品質向上のために、ブロックチェーンを医薬品業界に導入する計画を発表した。

これは、医薬品の来歴追跡及び偽造品の流通防止を目的とした、デジタルサプライチェーンのプラットフォームを2023年までに確立させるための必要段階である。従来アナログでサプライチェーンを保持していたため、ブロックチェーンの導入により、システム全体の発展が期待されている。

プレスリリース内で、当局最高責任者のScott Gottlieb氏は、

我々は、医薬品の安全を確保するために、加工・製造・流通などのサプライチェーンのセキュリティを向上させるブロックチェーンのような技術に投資して、医薬品の来歴追跡の精度を上げるための新しい方法を探索している。

と、コメントした。

医薬品の正規認証や来歴追跡の精度が上がれば、違法商品が発見された際にFDA及び業界は迅速に対応できるようになる。しかし、FDAは、当プロジェクトの規模、実施範囲や参加企業などの詳細は公開していない。

米国製薬市場は昨年192兆円越えの巨大マーケットである。また、処方箋なしの薬物乱用や偽造品の流出が多発しているなどの社会問題も後を絶たない。2017年には薬物過剰摂取による死亡数は7万件以上となった。

ブロックチェーン技術の本格導入により、業界の監視が及ぶ範囲が拡大が可能になるため、当試験プロジェクトはサプライチェーンのデジタル化及び使用者の安全を確保するための第一歩であると、FDA側は期待を示している。

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