MyEtherWallet、本人確認書類不要の「仮想通貨→法定通貨」換金手段を導入へ|ビットコインとイーサリアムに対応
- KYC不要の換金手段を導入へ
- KYC(顧客確認)を必要とせずに、仮想通貨から法定通貨へと換金できる手段が誕生した。同機能は、MEW V5のユーザーが対象、Bity上で利用が可能となる。現時点で換金可能な法定通貨は、ユーロとスイスフランの二通貨で、AML規制にも準拠するという。
KYC不要の換金手段が誕生
MyEtherWallet上で、KYC(顧客確認)を必要とせずに、仮想通貨から法定通貨へと換金できる手段が公表された。同機能は、MEW V5(MyEtherWallet)のユーザーのみが、Bityを通して利用できる機能だという。
対象となる仮想通貨はビットコインとイーサリアムの二種類で、ユーロもしくはスイスフランに換金が可能だ。換金の最大金額は5,000スイスフラン(約55万円)となっている。
スイスに拠点を置くBity社は、スイス国内を中心に仮想通貨関連サービスを展開しており、同国の5都市で仮想通貨用ATMを設置している。
同社はスイスのアンチマネーロンダリング法(AML)に準拠しており、ウォレットの所有権の確認が可能となる技術を保有していることからKYCを必要せず、仮想通貨から法定通貨へ換金することを可能としているとのことだ。
利用方法からKYCなしは妥当か?
KYCがないことは、現在仮想通貨規制の状況が高まっている中で、問題視される可能性があるとみるのが普通だろう。では、同サービスの利用手順は、どのようになっているのか?どれほど個人情報を紐付けないのか、その情報を掲載し、考察する。
利用手順
(1) 「From」からBTCかETHを選択し、換金する金額を入力。
(2) 「To」でスイスフランかユーロを選択。
(3) 「Continue」を選択した後、電話番号を入力。認証番号をテキストメッセージで受け取る。
(4) 認証完了後、Bityに銀行IBANコード、Bic/Swiftコード、ABAコードなど、銀行に関する詳細を提出する。
(5) 銀行口座の名義、請求先アドレスを入力。
(6) 取引の詳細を確認後「Confirm」をクリックし、換金が完了する。
(1)、(2) 仮想通貨、法定通貨を選択後、金額入力
(3) 電話番号を入力
(4) 銀行の詳細を提出
(5) 銀行口座の名義、請求先アドレスを入力
(6) 「Confirm」選択後、換金完了
以上が、同サービスの利用方法となっている。
今回、個人情報となるKYCの実施が行われない法定通貨への交換手段だが、利用方法を見ていくと、電話番号の紐付けはもちろん、銀行口座の登録が必要となるようだ。上述した通り、スイスのAML規制に則ったウォレットの所有権の確認が可能となる技術を有している点も強調するなど、KYCはないものの、顧客管理や法令遵守の点をクリアする仕組みが取られていることがわかった。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します