米著名仮想通貨アナリストが、ビットコインの高騰相場を「今夏」と見込む理由
- 米著名アナリスト「BTCの価格上昇は8月頃」
- 米著名投資アナリストのトム・リー氏が経済番組CNBCに出演し、仮想通貨市場及びビットコイン価格の上昇時期を予想した。今年8月に向けて期待される複数の「ポジティブ要因」を解説した。
米著名アナリスト「BTCの価格上昇は8月頃」
米国の著名投資アナリスト、トム・リー氏が、大手メディアCNBCのインタビューに応じ、順調に行けばビットコイン価格の回復は、8月頃に見られるだろうと発言した。
2019年は「市場回復」の年だと思う。グローバル市場はリスクオン相場であるため、ビットコインにとって有利だと言える。
昨年は向かい風だったが、米ドルは以前より伸びていない。つまり、仮想通貨市場の逆風は消えたのだ。
リー氏は、このように恒例の前向きな仮想通貨の市場予想を語ると、相場の再上昇要因として主に以下の項目を挙げた。
- グローバル企業の仮想通貨に対する関心
- 政治的困難な国家でのビットコイン普及
- ウォール街の仮想通貨事業展開
- BTC価格4000ドル台で底値が固まること
- 200日移動平均線
リー氏は、2月に発表されたJPモルガンの独自仮想通貨「JPMコイン」について、仮想通貨の普及につながるとして以下のように評価した。
重要なのは、ビットコインそのものが有用になりつつある点だ。
JPモルガンやみずほ銀行だけではなく、フェイスブックなどの世界有数のSNS企業にも、仮想通貨に対する関心が見られる。
自国通貨不安を抱えるベネズエラのような国家では、ビットコインは大体的に普及している。騒動が仮想通貨の実需や成長を促進しているのだ。
リー氏は、「JPMコインは実質的なステーブルコインであり、ビットコインの優位性を脅かすものではない」と述べながら、仮想通貨の普及を促進する観点から仮想通貨にとってはプラスな動きだと言及。
リップル社のCEOガーリングハウス氏による、リー氏の意見は「仮想通貨の大事な点を逃している」と厳しい意見を示した見解とは対照的だ。
また、脅威的なインフレが続くベネズエラで、仮想通貨やビットコインが実質的に機能を失っている法定通貨ボリバルに代わって国民に利用されている点もビットコインへの関心を高めていると言及した。
ウォール街・機関投資家の参入
さらにリー氏は、ウォール街の名門企業や機関投資家が徐々に仮想通貨事業を展開したり、市場に参入していることもポジティブに捉えた。
フィデリティは、デジタル資産のカストディ、Bakktは取引所の発足を予定している。
また今年に入ってから、仮想通貨に投資する大学基金や年金ファンドなども確認された。
資産クラスとしてはまだまだ黎明期にあるが、マクロ要素を見逃すにはまだ早い。
ビットコインのテクニカル面
さらにリー氏は、200日移動平均線やBTC市場のこれまでの流れを踏まえた上で、仮想通貨市場が今後「あと5、6ヶ月すれば上昇相場が開始するだろう」と予想している。
BTC価格は最高潮だった2017年12月時と比較すると当時の80%近くの水準にあるが、直近での最も大きな影響について以下のように述べた。
一番大きな痛手だったのは昨年11月、ビットコインキャッシュのハードフォーク後に6000ドルから3100ドルに下落したことだ。
フォークによるハッシュ戦争は、投資家の信頼と市場のダイナミックを覆したため、ビットコイン価格はしばらく6000ドル(約67万円)以下の水準で調整すると思う。
そこで重要指標となるのは、200日移動平均線だ。ビットコイン価格がこのまま4000ドル台を推移していけば、8月頃に200MAを上抜けるだろう。
ボラティリティの高さで有名な仮想通貨だが、昨年9月中旬から10月後半までの1ヶ月は過去最低水準の変動率が記録されており、ビットコイン価格は6000ドル台を推移していた。
6000ドルは、BTCマイニングを行う採掘事業者の損益分岐点だと予想されていたため、心理的な重要ラインとして保たれていたが、11月15日に行われたビットコインキャッシュのチェーン分裂が相場の不安を煽り、ビットコインは前月比40%安の記録的暴落を見せている。
そこから、12月中旬には一時回復傾向も見られたが、2019年に突入してからビットコイン価格は、4000ドル台のラインを突破しきれていない。
しかし、ビットコイン価格はリー氏が重要視する「200日移動平均線」と同水準になってきているため、このまま4000ドル前後で底値が固まれば、リー氏が予測するように仮想通貨市場は上向きに転じるかもしれない。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します