再起を図るビットメイン、仮想通貨マイニングの性能を大幅向上した次世代ASICの発売日を発表

Bitmain、次世代Antminer S17シリーズの発売日を発表
Bitmainが次世代Antminer S17シリーズの4月9日発売を発表した。新シリーズではハッシュレートやエネルギー効率が向上、旧世代のチップと比較して28.6%の電力効率改善を提供するとしている。

Bitmain、次世代Antminer S17シリーズの発売日を発表

仮想通貨マイニングマシン製造最大手Bitmainが29日、ビットコインやビットコインキャッシュに用いられるハッシュ関数SHA256に対応した次世代「Antminer S17」シリーズの発売日を公式ブログで発表した。

発売日については来月の4月9日を予定。今回発売されるシリーズには、Antminer S17 Pro、Antminer S17、およびAntminer T17の3種類のマシンが含まれる。

そして、それら新シリーズの主な特徴として、BitmainのプロダクトマネージャーYangxin氏は、以下の2点を挙げた。

  • 旧世代のチップと比較してのパフォーマンス向上とそれに伴うエネルギー効率の改善。
  • 個体ごとのハッシュレートの向上。それにより単位空間あたりのハッシュレート密度が上がりマイニングファームの低コスト展開が可能に。

また、新シリーズに搭載される新しく改良された第2世代7nm ASIC BM1397マイニングチップは、旧世代の7nmチップであるBM1391と比較して、28.6%の電力効率の改善を提供するとしている。

プロダクトマネージャー、今後の開発に関する見解

今回の新シリーズのプロダクトマネージャーであるYangxin氏は、10年以上に渡りIC設計の分野を専門としてきた人物で、現在はシステム設計とマシン生産や納入を管理する。

同氏は、今後の開発について以下のように述べている。

技術的な観点からみると、テクノロジーの発展に終わりはない。しかし、短期的な視点では、物理的制約から今回の7nmチップを超える次世代マイナー開発の推進力は弱まるだろう。

TSMC(台湾の半導体企業)がすでに5nmチップの製造工程に入っていることは有望だが、その応用については我々はまだ初期の段階だ。

次世代の半導体プロセスに基づいて新たなマイナーを開発するには時間とより多くの投資、研究開発が必要になる。この分野の急速な発展を考慮しても、近い将来では性能と経済性の観点から7nmが最も好まれることとなるだろう。

弱気相場から撤退する業者も多く厳しい現状となっているマイニング業であるが、業界最大手であるBitmainも人員削減やIPOの申請失効などその例外ではない。

しかし、Bitmainは先日、新たしいCEOを任命した他、販売業績も回復しつつあることを公式の社内報で伝えた。なお、近い将来、再びIPOの申請を行う計画にも言及し、前向きな事業方向性を見せている。

2020年5月に想定されるビットコインの半減期も近づいている中、今回の新シリーズ発売が起爆剤となるか。今後の動向に注目していきたい。

なお、このマシン登場によりハッシュレートに大きな変化が起こる可能性も十分に考えられる。今後のマイナーのシェア分布に変化がでてくるか、注目が集まるだろう。

本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ビットメインは26日、香港株式市場へのIPO申請が失敗に終わった事をHP上で報告した。今回のIPO申請を前向きに捉え、再申請の意向を示したほか、新経営体制など、業界の活性化に前向きな動きとなった
「IT企業史上最大のIPO(Initial Public Offering)案件になる」と注目されていた仮想通貨マイニング最大手Bitmain社の上場審査が、承認を得られないまま期限切れを迎える可能性が高まっている。その背景とは?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

コメントしてBTCを貰おう 新着ニュースをチェック

速報

新着記事

人気記事ランキング