米国納税期限が15日に迫る中、米議員らがIRSに「仮想通貨税制度」の明確化を再要求
- 米議員らがIRSに仮想通貨税制度の明確化を再度要求
- 20人以上の米議員が、日本の国税庁にあたるIRSに対して、仮想通貨税制度の明確化を再要求した。米議会での「トークン分類法」の提出など、米国内で法整備に向けた動きが活発化している。
米議員らがIRSに仮想通貨税制度の明確化を再度要求
米国における確定申告の期限(4月15日)が近づく中、20人以上の米国会議員らが、日本でいう国税庁に相当する機関である内国歳入庁(IRS)に対して、再び仮想通貨に関する疑問点の明確化を求めた。
同議員らは、IRS長官Charles Rettig氏に宛てた書面で、同庁が仮想通貨の取り扱いに関する質問に未回答であることから、納税額の計算が困難であると説明。
また、同庁が2014年に発行したガイドラインが、フォーク(分岐)やその他の仮想通貨業界の変化に対応していないことを指摘した。
なお、昨年9月にも複数の議員らが同庁に同様の要求書を送っているが、それから半年以上が経過している現在も、未だ回答が得られていない状況であるという。
その点について、今回の書面では「仮想通貨に関する連邦税制度についての多くの重要な疑問にいまだ曖昧なままである」と主張されている。
そして、同書面では特に次の3つの事項において、喫緊の対応が必要であるとした。
- 合理的な仮想通貨の原価基準の計算方式
- 合理的な仮想通貨の原価基準割り振りと減税の方式
- フォークの取り扱い
ただし、上記の事項は早急に必要な最低限のものであり、その他にも明確化するべき事項は残っているとする。
同議員らは、IRSのそれらを定めるにあたっての展望の文面での回答を要求。回答期限を確定申告期限の1ヵ月後である5月15日に設定している。
米議会で「トークン分類法」が再提出
なお、今月の米議会では、仮想通貨を「デジタルトークン」と明確に位置付け、米国証券法の対象外とすることを目指した法案「トークン分類法」が再提出されており、議会における仮想通貨に関連した制度を明確にしていく動きの活発化が伺える。
「トークン分類法」が実現すれば、米SECが遵守する現行の「証券法」を改訂し、仮想通貨や暗号資産、およびデジタルアセットなどの発行を望む企業や団体の有価証券としての登録が必要なくなる。このことからも、米政府の仮想通貨に対する規制スタンスが強調される重要案件だと言える。
さらに日本国内でも、2019年6月8・9日に福岡県で開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議では、仮想通貨のアンチマネーロンダリング(AML)やテロ資金供与対策(AML)を定める新規制に合意がなされる見通しであり、今後の法整備の動向に注目が集まることが予想される。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します