仮想通貨ビットコインの普及が途上国で加速か|米投資企業が指摘
- ビットコインの普及が途上国で加速か
- 米投資企業が仮想通貨取引所「LocalBitcoins」のデータを分析。仮想通貨価格の下落に相反し、発展途上国におけるビットコインの実利用が進んでいる可能性を指摘した。
ビットコインの普及が途上国で加速か
サンフランシスコにある投資企業「Passport Capital」は、フィンランドに拠点を置く仮想通貨取引所「LocalBitcoins」のデータを分析し、現在発展途上国においてビットコインのプラクティカルユーズが進んでいる可能性を指摘した。
「Passport Capital」は、「LocalBitcoins」が公表する先進国市場と開発途上市場のデータを重ね合わせ、両市場におけるビットコインの取引量に一定の乖離が見られることに言及している。
上図の青チャートは先進国市場におけるビットコインの取引高を示し、オレンジチャートは開発途上国市場・新興国市場の取引高を表す。それぞれのチャートを比較すると、後者のチャートが先進国における取引量を大きく上回っていることがわかる。
さらに面白い点は、2018年に仮想通貨バブルが弾け、価格が暴落したと同時に、両市場において仮想通貨の取引量が一旦減少したものの、その後は開発途上国での仮想通貨の取引量が増加傾向にある点だ。
Passport Capitalの主張によれば、同取引所での開発途上国におけるビットコイン取引の大半は投機的な理由ではなく、決済などのプラクティカルユーズが目的だという。
先進国市場と開発途上市場の両方で投機目的や投資目的で取引されている。
ただ我々の見方では、発展途上国の法定通貨が徐々に不安定になっており、かつVenmoのような便利なアプリへのアクセスが制限されている場合が多いことから、発展途上市場の市民のBTCに対する需要が、(先進国市場に比べ)より多く見られていると考えている。
このデータでは、その根拠は示されていないものの、この見方が的中する可能性は高いだろう。
例えば、発展途上市場での取引高はこの1年間で約4,000万ドルほどで、そのうち20%はベネズエラからの取引によるものだ。
またLocalBitcoinsでの新興市場からの取引高の80%は上から順に、ロシア、ベネズエラ、中国、ナイジェリア、コロンビアが占めているとのことだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します