米ペイパルCFO、将来の仮想通貨(ブロックチェーン)業界参入をほのめかす|Yahoo Finance経済番組
- PayPal社重役が仮想通貨業界に言及
- 大手決済企業PayPal社のCFOがYahoo Finance主催の番組に出演。仮想通貨・ブロックチェーン業界への参入は時期尚早としつつ、今後の導入については含みをもたせた。
PayPal社重役が仮想通貨業界に言及
大手決済サービス企業PayPal社の最高財務責任者John Rainey氏は、Yahoo Finance主催のテレビ番組「The First Trade」が出演。PayPal社の仮想通貨・ブロックチェーン業界に対する考えやスタンスを明らかにした。
Rainey氏は同番組内で、以前にPayPal社が決済手段としてビットコインを採用した事例に触れ、「企業がビットコインでの決済を受け入れた場合、従業員はすぐにユーロやドルなどの法定通貨に換金するだろう」と話し、仮想通貨の不安定さや激しい価格変動が障壁となっている点を指摘した。
こうした背景を述べた上で、同氏は以下のように語る。
我々にも、ブロックチェーン技術や仮想通貨に取り組むチームは存在し、いずれ何らかの形で(仮想通貨・ブロックチェーン業界に)参入したいとは考えている。
ただ、現時点での参入は時期尚早ではないか。
仮想通貨・ブロックチェーン技術に関して様々な欠点はあると前置きはしたものの、そのポテンシャルについては一目置いているようだ。
PayPal社の動向
PayPal社は、先月に米ブロックチェーン企業「Cambridge Blockchain」のシリーズA延長出資に参加。ブロックチェーンスタートアップに対して初めての出資を行なっていたことが明らかとなっている。
Cambridge社は、個人情報・プライバシーを保護しながら必要な情報のみ企業間で共有し、認証するプラットフォームを開発するプロジェクトだという。
PayPalの出資額など個別の出資額に関しては明かされていないが、米国SEC(証券取引委員会)への書類提出にて、Cambridge社は2018年5月に受けたシリーズAの700万ドル(約7億8000万円)に続き、過去9ヵ月で350万ドル(約4億円)の資金調達を行なったことがわかっている。
シリーズAの出資では、アップルの「iPhone」を製造する、台湾の電子メーカーFoxconnのVC担当企業HCM Capitalや、米最大手仮想通貨投資ファンドGrayscaleの親企業DCGなども参加した。
PayPal社がブロックチェーン企業に対して行なった出資としては初めての事例となったが、昨年取得した仮想通貨の送金速度を向上させる特許や、12月に始めた社内向けの「トークンインセンティブプログラム」などブロックチェーン関連での活動はこれまでにも見られている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します