半減期に向けて高値を更新するライトコイン、上昇と反落の注意点は?|仮想通貨朝市況
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- 年初来高値を更新するライトコインの注目ポイントをマイニングの収益分岐点に関する内容などから考察。ビットコイン相場の短期、長期のポイントも。
仮想通貨朝市況
12日の仮想通貨市場は、昨日も年初来高値を更新していたライトコインが続伸。一時JPY建で15,000円の値をつけ、上昇していた前日比で見ても+10%高を記録した。
時価総額も4位に浮上したことで、ビットコインの10分の1まで市場規模を拡大してきたライトコインだが、11日からの相場を見る限りでは相場の牽引要因ではなく、市場内資金がライトコインに流れている印象だ。
CoinMarketCapの上位通貨の週間変動チャート比較を見ても、右肩上がりのチャートを形成するのはライトコインやBNBなどの銘柄のみで、他通貨との値動きと比較すると明確な違いが見受けられる。
LTC相場の牽引要因は明らかに約2ヵ月後に控える「半減期」となるが、明確なファンダメンタルズ要因として市場に影響しているため、「Buy the Rumor, Sell the Fact(噂で買って、事実で売る)」の影響には注意したいところだ。
またビットコインやライトコインの過去の半減期後の状況を参照すると、半減期ポイント到達後に市場の反落も確認されている。ライトコインは依然堅調な推移を続けているが、過去の再現性を考慮した高値掴みのリスクは半減期に向けた約2ヵ月で意識されるポイントとなるだろう。
ビットコイン相場
ビットコイン市場は仮想通貨および分散台帳による分散金融も主要トピックとして議論されたG20の財務大臣・中銀総裁会議も閉幕したことで、目先の材料は6月中に予定するFATF(金融活動作業部会)による解釈ノート・ガイダンスの採択となるが、上昇要因には乏しい印象を受ける。
2019年2月に発表された解釈ノート(草案)から鑑みるに、仮想通貨サービスプロバイダーに対する登録制度や一定金額以上の送金に対するKYCの紐付け(送受信の両者)が焦点となる。長期的にはビジネス利用の拡大に繋がる好事例とみるも、匿名性に対する規制に、一定需要の減退を危惧する売りが相次ぐ可能性も拭えない。
現在の相場では既に市場に織り込み済みとの見方もあるが、実際の採択に関するニュースの影響には注意したい。
なお、今回ライトコインが半減期による上昇の勢いが強いほど、市場に半減期による市場作用を印象づけさせることになるため、約1年後に控えるビットコイン半減期による相場の中長期ファンダに大きな影響が出る可能性は高い。そのため短期的には、FATFの解釈ノート・ガイダンスの採択、中長期ではビットコインの半減期がポイントとなり、Bakktが行う現物先渡しビットコイン先物の状況や米国におけるカストディとクリアリングの制度化にも併せて注目が集まりそうだ。
ライトコインの上昇余地と半減期の影響
現市場における投資家の注目ポイントとしては、ライトコインがどこまで上昇する可能性があり、いつが売りのポイントになるのかという点だろう。
半減期はその名の通り、らマイニングによる報酬が減額(LTCの場合は半減)するイベントのことで、新規発行通貨の減少(供給量減)により供給量の減少による市場の需要の影響が価格に反映されやすい状況ができる。その期待感が高まることによって仮想通貨市場特有のファンダメンタルズ要因となっている。
ただ半減期で注意しないといけないポイントとして挙げられるのは、その時期を境にマイナーの報酬が実質的に半減すること、マイナーの収益性、延いてはハッシュレートの反落ポイントとなり得る可能性があることである。
昨今マイナーの競争が激化する中で、コストと収益の差が縮まっており、以前と比較して収益性に多少の陰りが見え始めている。そのため、コスト面での状況に変化はない状況下で、マイニング報酬額が減少することで、一定期間LTCから他の収益性の高い通貨にハッシュが移行する可能性がある。
これが、事実売り以外に、半減期のポイント以後の相場に注意しないといけない理由の一つとして挙げられている。
しかしこの懸念に対して、ライトコイン創業者のチャーリー・リー氏が実際のマイニングデータを用いて、懸念はないとの見解を示した。
ライトコインのマイニングマシンで主流となる、イノシリコンA6+とアントマイナーL5(Bitmain製)のデータを用いて説明したリー氏は、半減期後の損益分岐点をランニングコストとなる電力代で算出。両社のマシンで0.1USDで利益が得れるとのデータを示した。
またLongHashのデータを用いて、中国の電力代(0.04〜0.06USD)では余裕がある範囲だと説明した。
マイニング業者の半数が拠点を構える中国四川省では、電力代が安い豊水期に突入しており、2ヵ月後に控える半減期の時期もこの豊水期に該当する。1年間を通して、もっとも安価な電力コストの時期に当たるため、半減期後の反落の影響も少ないのでは無いかという見方である。
なお今回公開されたデータを元に、ユーザーからはマイニング損益分岐点から算出したLTC価格の上昇余地(半減期まで)はあるとの見方も広がっている。本日の上昇の要因になった可能性もあるだろう。
1.5億のテザー発行
USDTテザーの新規発行に対して、市場に警戒感も台頭している。
先日NYの法務長官が告発した裏付け証拠金問題が問題視されているbitfinexとテザー社は11日の夕方、新たに1.5億のUSDTを新規発行した。USDTは米ドルなどの資産で、1:1で準拠するため、今回の新規発行はテザー社がそれに相応する資産を持っているとのことになる。
さらに、これまでテザーによるUSDTの大量発行は、これまでビットコインの相場操縦行為との指摘もあり、今回の発行で、いわゆる「テザー砲」の効果はどのように影響をもたらすか注視する必要がある。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します