日本維新の会、選挙マニフェストに「暗号資産とブロックチェーン」の注力を明記

日本維新の会、マニフェストに「暗号資産とブロックチェーン」
日本維新の会は、7月21日に迫る第25回参院選の公約に「AI、ブロックチェーン、暗号資産に注力」と記載した。藤巻議員が仮想通貨税制改正について取り組む中、党としての方針を表明した形となる。

日本維新の会、マニフェストに「暗号資産とブロックチェーン」

日本維新の会は、第25回参議院議員通常選挙における、「規制改革・成長戦略・経済政策 ~経済成長による財政再建~」のマニフェスト(公約)で、「AI、ブロックチェーン、暗号資産」に注力することを明言した。

日本維新の会は2015年11月、橋下徹氏、松井一郎氏によって「おおさか維新の会」として結成された政党だ。今回、維新の会のマニフェストに明記したことで、藤巻議員個人のみならず、党として「暗号資産やブロックチェーン」に関するテーマに取り組むことを表明したことになる。

日本維新の会の政調会長代行を務める藤巻健史議員は、税の公平性の観点から仮想通貨(暗号資産)の税制には問題があるとして、「仮想通貨税制を変える会」を発足。税改正に取り組んでおり、国会議員に再選されるかどうかも注目される。もし次の参院選で落選してしまった場合は、仮想通貨の税制改正を通じた国民の声を一議員として国会に届ける役目を果たせなくなるため、志半ばで潰えてしまう可能性があるからだ。

直近では、国会に「仮想通貨税制改正の請願書」を提出したことでも反響を呼ぶなど、直近では活動に本腰を入れている。

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藤巻議員は、国民が国政に対する要望を直接国会に述べることのできる制度を利用し、通常国会会期末に仮想通貨税制改正に関する要求を提出した。売買益の総合課税55%の税率から分離課税による20%への引き下げ等を要求したもの。

藤巻議員が、税制改正に関して強調しているのは、以下の4点だ。

  • 最高税率55%の総合課税から、20%の分離課税へ
  • 損失の繰越控除を可能に
  • 仮想通貨間の売買を非課税に
  • 少額決済を非課税に

同議員も主張する「税の中立性」とは、公平性や簡素性と並んで租税に求められて然るべきものであり、税制を構築するうえでの基本原則とされている。つまり、国の政策による経済活動への租税の介入を抑止するため、利用者の消費選好に歪みをもたらすことを防ぐものだ。

現状では、仮想通貨で利益確定した場合、その収入は雑所得に分類されるため、総合課税として最大55%が課税対象となる。現状では、年度をまたぐ損益通算が可能で20%分離課税の「株式投資やFX投資」が奨励されていると捉えられかねず、「税制の中立性」が保たれているとは言い難い。

この点について藤巻議員は、先日行ったコインポストのインタビュー『なぜ、仮想通貨の税制を改正すべきなのか』でも、FXとか株式投資は分離課税で、なぜ仮想通貨だけ総合課税なのか、という問題もあり、税の中立性や公平感という観点に欠けていると指摘、参院予算委員会で金融庁や麻生大臣などに質問を繰り返している。

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藤巻健史議員は、参議院財政金委員会で麻生大臣や国税当局に対し、現行の仮想通貨税制は「矛盾があり非合理的だ」として問題提起。租税法や国益の観点から、雑所得ではなく譲渡所得や分離課税が妥当だと主張した。

国政を担う選挙結果に高い関心

第25回参院選は、2019年7月28日の任期満了に伴い、2019年7月4日公示・7月21日投開票(期日前投票:7月5日〜20日)の予定で実施される。

金融庁の最新報告書を発端とする国民年金に関する「老後2000万問題」の影響で、日本国民の投資(資産形成)への関心が高まる中、若年層の関心の的である「仮想通貨及びブロックチェーン」に関する言及を行う政党が、今後他に現れるかどうかも含めて注目される。

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藤巻健史議員が発足した「仮想通貨の税制を変える会」の活動と現行の課税制度の問題点についてファイナンシャルフィールドが報じ、Yahoo! JAPANに掲載された。ビットコインなど仮想通貨市場の高騰や、JR東日本のSuicaの導入検討でも関心が高まっている。
藤巻健史議員が発足させた「仮想通貨税制を変える会」は、1ヶ月で5000人を超える支援者が集まったが、政治を変えるには数の力が必要で、さらなる参加(匿名可)を呼びかけている。日本政府に提言するにあたり、講演会や意見交換会なども定期的に開催予定だという。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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