はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム RWAトークン化のリスクとは?有識者が指摘する課題と対策

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リスク管理の強化が必要と見解

ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスの客員教授でステーブルコインにも詳しいオースティン・キャンベル氏は、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)が大規模な現実資産(RWA)トークン化には、まだ対応できない可能性があるとの見解を示した。

キャンベル氏は、2月に仮想通貨取引所Bybitからハッキングにより15億ドル相当のイーサリアムが盗まれた事件を例に挙げている。

この件が、イーサリアムのバリデータシステムの脆弱性と、大規模な不正行為や攻撃への対策が限られていることを示していると述べる格好だ。

関連:Bybit、史上最大規模のハッキング 仮想通貨相場が急落

また、最悪のシナリオとして、不正行為者がテザー社やサークル社をハッキングして秘密鍵を入手し、イーサリアム上で発行されるUSDCやUSDTのスマートコントラクトを制御できるようになった場合を挙げた。

仮想通貨取引では、流動性の面でステーブルコインの果たす役割も大きいため、こうした攻撃はネットワーク全体に影響を及ぼす可能性があるとも指摘している。

そうしたシナリオも踏まえてリスクマネジメントを強化するまでは、まだ大規模なユースケースには準備できていないと意見した。

仮想通貨支持で知られるジョン・ディートン弁護士はこの議論を引用し、仮想通貨が前進していく上では、こうした「健全で成熟した議論」が不可欠だとして、コミュニティに意見を募集している。

キャンベル氏はこれに応答し、解決不可能な問題だと主張しているのではなく、現時点でまだ解決されていないとだけ述べているものだと強調。自分は「イーサリアムの大ファン」であり、建設的な批判を行ったものだと続けた。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

キャンベル氏は、仮に北朝鮮などがUSDCのコントラクトを掌握した場合、サークル社はどのように対応するのかとも疑問を投げかけた。

新しいスマートコントラクトを展開したり、チェーン(決済や取引)をロールバックすることが考えられるものの、これには法的責任問題が伴うと述べる。実物資産の場合は、発行者や取引所、関係者に義務を課す法的枠組みが整備されているが、トークン化資産の場合はまだ整備されていないとも示唆した。

Bybitのハッキングについては同取引所のセキュリティ上の問題もあり、一概にイーサリアムのセキュリティの問題とは言えない部分もある。

ただ、キャンベル氏の見解は、トークン化資産が増加し、ステーブルコインの時価総額も今後数年での拡大が予想される中、リスク強化についての議論を喚起するものとなった。

ヴィタリック氏、イーサリアムトレジャリー企業へ見解

イーサリアムについては、財務資産として採用する企業も増えているところだ。イーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者は先週、Banklessポッドキャストでイーサリアムを蓄積する財務戦略を採用する企業について語った。

人々がイーサリアムにアクセスするための手段が多様化することで、最終的にイーサリアムのエコシステムが強化されると評価している。

トレジャリー戦略が何らかの形で過剰レバレッジのゲームに変わってしまうことへの懸念も表明しつつ、そうした企業は責任感があり、ネットワークを不安定化させるようなことはしないだろうとも信頼を示した。

関連:イーサリアムの価格と将来性を解説|今後の注目ポイントと中長期の成長シナリオ

2025年8月25日-26日 東京開催

WebX 2025

CoinPost主催 - アジア最大級のWeb3カンファレンス

注目のスピーカー

Web3・仮想通貨業界を代表する世界トップクラスのスピーカーが東京に集結。 最新技術動向から投資戦略まで、業界の未来を形作る貴重な議論をお届けします。

その他の注目スピーカー

アーサー・ヘイズ

BitMEX、Maelstroom創設者

オードリー・タン

台湾の元デジタル大臣

堀江 貴文

実業家

宮口 あや

イーサリアム財団理事長

松本 大

マネックスグループ会長

ヨーロピアン

個人投資家(仮想通貨)

テスタ

個人投資家(株)

岐阜暴威

個人投資家(株)

WebX 2025について

WebX 2025は、CoinPost企画・運営による日本最大級のWeb3・仮想通貨カンファレンスです。2025年8月25日から26日まで、東京のザ・プリンス パークタワー東京で開催されます。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
16:03
ナッジ、ステーブルコイン決済・還元対応クレカ「HashPortカード」発行開始
HashPortとナッジが日本初となる後払い型クリプトクレジットカード「HashPortカード」を発行開始。ステーブルコインJPYCで決済・還元が可能で、利用額の0.3%をJPYCで還元。年会費無料、カード発行手数料2,500円。
15:44
金融庁が語る暗号資産規制改革の全貌──銀行参入、インサイダー規制、DEX対応の狙い|独占取材
金融庁独占取材。暗号資産規制の金商法移行について、銀行グループ子会社の参入、インサイダー取引規制導入、分散型取引所(DEX)対応の狙いを詳しく聞く。投資家保護と健全なイノベーション両立への取り組みを解説。
13:55
Bitcoin Core、史上初の公開セキュリティ監査をクリア 「重大な脆弱性なし」
ビットコインの基盤ソフトウェアBitcoin Coreが16年の歴史で初となる第三者セキュリティ監査を完了した。Quarkslabによる4ヶ月間の徹底調査で致命的な脆弱性は発見されず、300兆円規模のネットワークの安全性が裏付けられた。
13:30
金融安定理事会、ステーブルコイン監視強化を表明 G20サミット前に警告
金融安定理事会(FSB)のベイリー議長がG20首脳会議を前にステーブルコイン規制強化を表明。市場規模3000億ドル突破を受け、ECBも警戒。2026年作業計画で国際協力推進。
13:05
仮想通貨団体ら、税制改正などをトランプ大統領に要望
ソラナ政策研究所など65以上の仮想通貨団体がトランプ大統領に書簡を提出。税制の改善、規制の明確化、イノベーションや開発者保護の取り組みを求めた。
13:00
Secured Finance CEOが語るJPYC固定金利レンディングの挑戦|独占インタビュー
Secured Finance菊池氏が語るJPYC固定金利レンディングの全貌。日本円を世界の金利ベンチマークにする構想、RWA担保展開、x402対応など最新戦略を独占取材。
11:25
米SEC、今年度の仮想通貨含む執行件数が3割減 アトキンス委員長就任後は記録的低水準に=報告
米SECの2025年度執行件数が30%減の56件、金銭的和解額も45%減の8億ドルと記録的低水準に。トランプ政権下でアトキンス委員長が就任し、仮想通貨規制を大幅緩和。前政権の「執行による規制」から明確なルール作りへ方針転換。
11:02
アバランチ財務企業「AVAX One」、最大63億円規模の自社株買いを承認
仮想通貨アバランチの財務企業AVAX Oneは、取締役会が最大で約63億円規模の自社株買いを承認したと発表。また、購入規模を増やしたり、購入期間を延長したりしていく可能性があるとも説明している。
10:30
バイナンスジャパン、PayPayで暗号資産購入が可能に
Binance JapanとPayPayが連携サービスを開始。PayPayマネーから1,000円で暗号資産を購入可能に。入金手数料無料、24時間365日利用可能、PayPayポイントも使える新サービス。
10:20
ビットコイン続落、トレジャリー企業の売り懸念とFOMC利下げ不透明感で市場心理最悪に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは続落基調が止まらず、一時は7か月ぶりとなる8万5000ドル台まで下落。背景には、世界最大のビットコイントレジャリー企業であるストラテジー社が、MSCIやナスダック100といった主要株価指数から除外される可能性がある。
10:05
コインベース、イーサリアム担保ローンを開始 最大約1.57億円まで借入可能
大手仮想通貨取引所コインベースがイーサリアム担保ローンサービスを開始。最大100万ドルのUSDC借入が可能に。Morphoプロトコル活用でBase上で運用。ニューヨーク州を除く米国ユーザーが利用可能。
09:45
著名投資家レイ・ダリオ、総資産の1%をビットコインで保有 量子リスクを懸念
著名投資家レイ・ダリオ氏が総資産の1%を仮想通貨ビットコインで保有していると表明した。量子コンピューターのリスクや金と比較した価値保存手段としての課題を解説している。
08:50
ビットコイン売り圧力は中期保有者が主因、長期大口は保有継続=VanEckレポート
バンエックが19日に公表したレポートで、ビットコインの売り圧力が長期大口投資家ではなく保有期間3〜5年の中期保有者に集中していると分析した。5年以上保有のビットコインは増加傾向を続けている。
08:25
メタプラネット、ビットコイン戦略のための新たな増資を発表
メタプラネットは、B種永久優先株式の発行を開示。調達した資金は主に仮想通貨ビットコインの財務戦略を推進するために使用すると説明した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧