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ビットバンク代表が語る、SBIグループ統合と暗号資産の未来

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ビットバンク代表が語る、SBIグループ統合と暗号資産の未来

2028年に向け、日本の暗号資産(仮想通貨)市場は金融商品取引法への移行という大きな節目を迎える。分離課税やビットコインETFの解禁も重なり、投資家の行動は一変する可能性がある。

この変化の最前線に立つビットバンクは、SBIグループとの統合という選択でどこへ向かうのか。「WebX2026」のタイトルスポンサーを務めた同社の廣末紀之代表取締役社長CEOに話を聞いた。

ビットバンク 廣末紀之 代表取締役社長CEO
廣末 紀之(ひろすえ・のりゆき)
ビットバンク株式会社|代表取締役社長CEO
野村證券でキャリアをスタートし、GMOインターネット常務取締役、ガーラ代表取締役社長などを歴任。2012年に暗号資産技術は「マネーのインターネット」になると確信し、2014年にビットバンク株式会社を創業。2022年には機関投資家・事業会社向けのデジタルアセット信託事業に向け、日本デジタルアセットトラスト設立準備株式会社(JADAT)を設立し代表取締役を兼任。健全な暗号資産の発展に向けて日々尽力している。
目次
  1. 制度が変える取引所
  2. 暗号資産を日常へ
  3. SBIと描く次の金融
  4. オープンでフェアな社会

01PART制度が変える取引所

金商法で活きるビットバンクの強み

金商法移行や分離課税、ビットコインETF解禁で投資家の行動が変わるなか、ビットバンクが最も強みを発揮できるのはどこでしょうか。

金商法へ移行すると、暗号資産交換業は資金決済法から金融商品取引法の枠組みに移り、金融機関としてより厳格な責任と役割を担う立場になります。そこで問われる要素は多岐にわたり、コンプライアンス・財務健全性・サイバーセキュリティなどが挙げられます。

なかでもビットバンクの強みの一つが高い水準のセキュリティ体制です。ビットバンクは、創業以来、ハッキング被害ゼロを実現し、安全な取引環境の提供に取り組んできました。セキュアな暗号資産取引所として多くのお客様にご支持いただいています。その重要性が高まる金商法移行後は、この強みがより明確に生きてくると見ています。

もう一つが取り扱う暗号資産はすべてオーダーブック(板)取引を提供しているところです。暗号資産の取引形態には販売所形式・取引所形式の2つがありますが、ビットバンクは創業以来、取引所形式に重きを置いてきました。証券と同様に、オーダーブック型の方が、利用者へ最も有利な取引環境を提供できる方式と考えているからです。取引所形式ではミリ秒単位で注文が集中するため、システムインフラの作り込みは容易ではありません。早くから徹底してきた結果、安定性と可用性には定評があります。

金商法移行に伴い分離課税も併せて導入されれば、海外で取引してきた層の国内回帰などにより取引はさらに活況になると見込まれます。そこで鍵を握るのはシステムの安定性と高い水準のセキュリティ体制です。ビットバンクの強みが最も活きる局面だと考えています。

ビットコインETF解禁とカストディ機能 JADATの役割

ビットコインETFの解禁も2028年に見込まれています。ETFの組成において、暗号資産業界にはどのような役割が期待されるのでしょうか。

ビットコインETFも2028年から解禁されると言われています。ビットコインETFの組成では暗号資産業界側に期待される最も重要な役割がカストディ機能です。裏付けとなるビットコインをいかに安全に管理するかが問われます。

先ほども強みとして紹介した通り、ビットバンクは高い水準のセキュリティ体制に強みがあり、加えて三井住友トラストグループとの共同出資により子会社「JADAT」を設立しています。この体制はビットコインETFなど、暗号資産が金融商品化するオンチェーン金融の時代に大きな役割を果たすと考えています。

編集部注:JADAT=日本デジタルアセットトラスト設立準備株式会社。ビットバンクと三井住友トラストグループが設立を進める、デジタルアセット特化の管理型信託会社。
JADATの体制はいつ頃に整う見通しでしょうか。

ライセンスの取得が重要な鍵になります。信託会社には管理型信託と運用型信託の2つの形態があり、JADATは管理型信託のライセンス取得を目指しています。年内のライセンス取得を目標として準備を進めており、2028年を見据えた体制整備を進める予定です。

02PART暗号資産を日常へ

保有ビットコインで支払えるクレジットカード

「EPOS CRYPTOカード for bitbank」は、どんなユーザーがどのように使っていますか。

当カードはビットバンク口座を所有するお客様にお申し込みいただける仕組みです。したがって利用者はビットバンクのお客様であり、日頃から取引されているコア層が中心と見ています。

暗号資産を取引するだけでなく、日常でも使いたいという潜在的なニーズは根強くあります。ビットバンクに預けた暗号資産、とりわけビットコインで支払いができ日常に使える点が支持されているのだと思います。

私自身、ビットコインは構造的に長期では値上がりしていく資産だと考えています。その前提に立つと、日常の支払いにも活用しながら保有を続けるという選択肢には、大きな価値があると考えています。日常の支払いをビットコインでおこなっても、その後の値上がりで実質的に法定通貨建ての資産が目減りしにくくなります。むしろ使ってもなお価格が上がれば、減らさずに使えたことになります。

単なる決済手段ではなく、資産を持ちながら日常でも使えるという発想そのものがこのカードの本質的な価値だと考えています。

今回の特徴はパートナーが丸井グループのエポスカードである点です。丸井グループは東証プライム市場に上場する大手企業で、もとは百貨店を中心とした小売事業を展開してきましたが、現在はフィンテック事業をグループの中核事業の一つとしています。

丸井グループが暗号資産関連の事業を手がけるのは今回が初めてだと思います。こうした大手企業と暗号資産交換業者がタッグを組み、サービスを実現した事例としても注目を集めました。そして、大手企業と組んでいるサービスであることに安心感を持っていただいているという声も多く寄せられています。

また、月々のカード利用に応じて、3種類の暗号資産から選んで還元を受けられる仕組みのため、暗号資産を少しずつ積み上げることができます。今後は還元・支払いの対象銘柄も拡充していきたいと考えています。

編集部注:「EPOS CRYPTOカード for bitbank」は、丸井グループのエポスカードとビットバンクが提携し、2026年4月に発行を開始したクレジットカード。利用代金の引落し先にbitbank口座(BTC残高)を選べ、利用額の0.5%をBTC・ETH・ASTRから選んで還元される。 関連記事:EPOS CRYPTOカード for bitbankとは?メリット・デメリットと申し込み方法を解説

03PARTSBIと描く次の金融

SBIグループ参画の決め手

数ある選択肢のなかで、SBIグループとの統合を選んだ決め手は何だったのでしょうか。

最大のきっかけは金融商品取引法への移行です。金商法になると求められる体制など多くのことが変わります。

これは世界的に起きている変化でもあります。日本の暗号資産はビットコインに始まり、アルトコインを含む100数十銘柄という枠組みのなかで暗号資産そのものを扱ってきました。しかし現在はステーブルコインが登場しました。金融との接続が進めば、ビットコインETFや株式・投資信託などあらゆる資産がトークン化され、商品のバリエーションは一変します。

そうなると暗号資産だけを扱う取引所は商品面での魅力が薄れます。より幅広い商品、サービスをラインナップする必要があり、そのために不可欠なのが銀行機能や証券機能をはじめとする金融機能との接続です。これを単独で実現するのは次第に難しくなっています。

その点、SBIグループはオンチェーン金融の推進を三大戦略目標のひとつとして掲げ、グループ全体で取り組んでいます。銀行・証券・アセットマネジメント・保険といった幅広い金融機能を有しており、オンチェーン金融を進めるうえで条件が非常に整っています。

今回、ビットバンクが参画することで、暗号資産交換業という流通領域がさらに強化され、規模でも国内首位に立ちます。国内では、オンチェーン金融を最も進めやすい環境が整っているのがSBIグループであり、様々な角度から検討した結果、今回の決断に至りました。

編集部注:SBIホールディングスは2026年6月、ビットバンクの完全子会社化を発表した。取引完了は2026年10月頃を予定。完了後はSBI VCトレードとの合算で預り資産残高約8,700億円、口座数約300万口座となり、国内の暗号資産交換業者で首位級となる見込み。

ステーブルコイン時代の取引所の役割

ステーブルコインが普及するなかで、暗号資産取引所の役割はどのように変わっていくとお考えですか。

普及の度合いにもよりますが、現時点で顕在化しているユースケースは海外取引所との送金ニーズ、とりわけドル建てです。ビットバンクにも海外の利用者は少なくなく、実用性の高いサービスになると見ています。

SBIグループには円建てのJPYSCがありますが、円建てのステーブルコインは、リテールよりも法人向けから普及すると見ており、ビットバンクとしてもJPYSCの取り扱いを通じて機関投資家や法人のお客様の取引・送金ニーズに応える役割を担っていきたいと考えています。

暗号資産取引所の役割そのものが大きく変わるわけではありません。ただ、日本はドル建てステーブルコインが存在しなかったために海外の潮流から一歩後れを取ってきました。ドル建てなら世界中で使えますが、その選択肢がなかったことが日本市場にとって制約となっていたのです。

SBIグループの一員としてまず取り組むべきは、JPYSC、USDC、RLUSDなどのステーブルコインの取り扱いを進めて利用者の利便性を高めることだと考えています。

編集部注:USDCは米サークルが発行する米ドル建てステーブルコイン。JPYSCはSBIグループが取り扱う円建てステーブルコイン。
ステーブルコインの取り扱いに向けて、ライセンス面はどう整理されていますか。

ステーブルコインの取り扱いには電子決済手段等取引業の登録(ライセンス)が必要です。ビットバンクは現時点で保有しておらず、取得に向けて動いていきます。

もっとも、ビットバンクでは、すでに必要な基盤が整っているため、取得難度が高いものではないと考えています。理由は二つあります。

一つは、暗号資産交換業者として金融当局の規制に対応してきた実績です。内部管理・コンプライアンス・マネーロンダリング対策といった基盤がすでに相応に整っています。

もう一つは、ステーブルコインが技術的には暗号資産そのものであり、その保管や移転はビットバンクが日常的に手がけている業務の延長線上にある点です。

あとは、ライセンス取得に向けた形式的な体制整備を進めれば早期に取得できると見ており、そのうえで取り扱いを進めます。

04PARTオープンでフェアな社会

「オープンでフェアな社会の実現」というビジョンは、SBIグループの一員として次のステージでどう実現していきますか。

暗号資産やオンチェーン金融という営みは、突き詰めれば「オープンでフェアな社会」に行き着きます。ビットバンクが取り組んできたこと自体がその方向を向いているため、大きな筋が変わることはありません。

SBIグループが持つ顧客基盤や金融機能を暗号資産とつなげ、オンチェーン金融へと展開していきます。

こうした取り組みを積み重ねた先に「オープンでフェアな社会の実現」があります。暗号資産の技術を通じて、その方向へ着実に進んでいます。

グループ連携を重ねることで、このビジョンは必ず実現できるはずです。まず取り組むべきはSBIグループの一員として、SBIグループの金融機能・顧客基盤との連携を強化し、顧客により良いサービスを提供すること。これを最重要理念として、今までと変わらず邁進していこうと考えています。

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