2019年の投資額トレンドに、再び仮想通貨を通じた資金調達 VCの関連企業投資の2倍水準に

トークン・ジェネレーション・イベント (TGE)による資金調達額がVCの2倍に
米国のリサーチ企業TeQatlasは、ICOやIEOなどの資金調達額が、VCによるブロックチェーン領域への資金調達額と比較し、2倍程度まで増加していることを発表した。

ICOなどの調達額が再び増加傾向に

米国のリサーチ企業TeQatlasによると、トークン・ジェネレーション・イベント (TGE) による資金調達額が、ベンチャーキャピタルによるブロックチェーン領域への資金調達額と比較し、2倍程度に及ぶことを発表している。

トークン・ジェネレーション・イベント(Token Generation Event)とは、ブロックチェーン技術の開発案について、投資会社が審査し、資金調達を実施の上で、開発されるものを指す。現在は、ICOの新たな呼称として投資会社などで使われており、仕組みとしてはICOと同様である。

2019年上半期では、トークン・ジェネレーション・イベントでは20億ドル以上もの金額を調達しているのに対し、ブロックチェーン企業によるベンチャーキャピタル経由の資金調達額は、12億ドルに留まった。

TeQatlasの報告書は、ブロックチェーン関連企業の約2500社に及んでいる。調査対象企業は、1800以上の投資家やベンチャーキャピタルから、エクイティ、トークン・ジェネレーション・イベント、IEO (Initial Exchange Offering) など何らかの支援を受けている企業が対象になっている。

TeQatlasは、投資家・ベンチャーキャピタルはブロックチェーン領域への投資活動を今でも高い収益性の見込める領域として見ているとしている。ベンチャーキャピタルによるブロックチェーン領域への投資額は、過去4年半において継続的に上昇しており、総額で92億ドルに及ぶ。

しかしながら、トークン・ジェネレーション・イベントの調達額が2018年の一年間だけで150億ドル以上に到達していることと比較すると、ベンチャーキャピタルによる投資額が霞んでしまうことは否めない。

2019年上半期には、資金調達の実現速度は2018年と比較して緩やかになっているものの、トークン・ジェネレーション・イベントの調達額は約20億ドルとなっており、依然としてベンチャーキャピタルの投資額に2倍程度の差を付けて上回っている状況だ。

トークン・ジェネレーション・イベントとベンチャーキャピタルによる資金調達取引件数は、2017年には合計476件であったのに対し、2018年には910件、2019年上半期で268件となっている。

また、上記グラフより資金調達の取引件数に着目した場合、トークン・ジェネレーション・イベントとベンチャーキャピタルによる資金調達件数はほぼ同等であるが、2019年時点でトークン・ジェネレーション・イベントでは、ベンチャーキャピタルによる資金調達よりも約26%調達額が大きいという。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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