ブロックチェーン周辺機器市場、今後5年間で6倍に成長=大手市場調査
- ブロックチェーン周辺機器市場は今後5年間で大幅に成長
- 大手B2B市場調査分析企業に予測によると、ブロックチェーン関連機器市場は、2019年から2024年にかけて約6倍の成長を遂げる見通しだ。ブロックチェーンスマホやウォレットに対する需要が大幅に高まるという。
ブロックチェーン周辺機器市場は今後5年間で大幅に成長
大手B2B市場調査分析企業「MarketsandMarkets」によると、ブロックチェーン関連機器市場は、2019年から2024年にかけて42.5%の複合年間成長率で成長し、現在の2億1800万ドル(約236億円)から、12億8500ドル(約1390億円)の規模へ拡大すると予測している。普及と需要が大幅に改善するとの見込みになる。
12日に発表された同社のレポートは、ブロックチェーン周辺機器市場を、そのタイプ(スマートフォン、仮想通貨ハードウェアウォレット、仮想通貨ATM、POS端末等)と接続方法、アプリのユーザー層(個人・企業)および地域別に調査分析したもので、今後5年間で約6倍という大きな成長が見込まれると示唆した。
レポートでは、このような大規模な市場拡大の牽引役として、次のような要因をあげている。
- 小売およびサプライチェーン管理におけるブロックチェーン技術の採用が拡大
- ベンチャーキャピタルからの投資の増加
- 仮想通貨およびICOの時価総額の上昇
さらに、さまざまな業界や地域で仮想通貨の受け入れが進んでいることも、市場にとって重要なチャンスを生み出していると分析している。
一方、市場の成長を抑制する主な要因として、規制やコンプライアンスの不確実性や認識不足と説明している。
最も高い成長率見込まれる機器タイプ
ワイヤレス接続によりデータ転送を行うブロックチェーンスマートフォンや仮想通貨ウォレット、およびPOS端末市場が、高い成長率が見込まれる。
そして今後5年間で最も高い成長率を達成し得るのは、ブロックチェーネットワークにアクセスするためのノードの設定済関連機器だとレポートでは予測している。
オペレーティングシステムを搭載した設定済機器により、通常のネットワークからブロックチェーンネットワークにアクセスが可能になる。
このような機器は、主に次のような幅広い業界で採用されているという。
- 銀行、金融サービスや保険
- 政府
- 小売や電子商取引
- 旅行業、接客サービス業
- 自動車、輸送、物流
- IT、通信
北米地域が市場をリード
レポートでは、世界を北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域、とその他の四つの地域に分けて調査している。
その中で、様々な用途にブロックチェーン技術の採用が進むアジア太平洋地域の成長が見込まれる一方で、いち早くブロックチェーン機器を導入してきた北米地域が、予測期間中、最大の市場規模を占め、市場をリードすることになるだろうと予測した。
その要因として、北米地域の政府や金融機関がこれまで、データやトランザクションの安全性と透明性の課題解決のために早期からブロックチェーン技術を採用してきたことをあげた。さらに、この地域にブロックチェーン機器関連企業の多くが拠点をおいていることも、市場規模の大きさと関連があると述べている。
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市場の主要企業と最近の動向
レポートは、ブロックチェーン関連機器の主要企業を紹介し、その最近の動向についても触れている。
- Ledger SAS(フランス)のウォレット
- HTC Corporation(台湾)のブロックチェーンスマートフォン
- Pundi X Labs(シンガポール)のブロックチェーンスマートフォン
- RIDDLE&CODE(オーストリア)の車載ウォレット
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