伊藤忠、ブロックチェーンを用いた「コーヒー豆」履歴追跡フォームに参画
- ブロックチェーンを用いたコーヒー豆プラットフォーム
- 伊藤忠は19日、ブロックチェーンを利用した「FARMER CONNECT」への参画を発表した。世界的なコーヒー取扱業者7社が参画しており、参加企業のコーヒー製品の取扱量は、世界全体の30%前後にのぼる。
ブロックチェーンを用いたコーヒー豆プラットフォーム
大手総合商社である伊藤忠商事は19日、ブロックチェーンを利用したコーヒートレーサビリティープラットフォーム「FARMER CONNECT」への参画を発表した。
日本の輸入コーヒー豆の約3分の1を取り扱う伊藤忠商事のほか、米大手JMスマッカーなど世界的なコーヒー取扱業者7社が参画しており、参加企業のコーヒー製品の取扱量は世界全体の3割前後にのぼる。
コーヒー豆のサプライチェーンは、木を植えて育てるところから最終的に焙煎するまで複雑な過程があり、またこの過程に関わる仲介業者の数も多い。これまでは、これらの業者はそれぞれ個別に情報を追跡しているため、非効率かつ不透明という問題点があった。
そこでブロックチェーン技術を使い、生産地や生産者、収穫日、豆の輸出入日、焙煎業者や焙煎日などの履歴を包括的に管理することで、高い効率性と透明性を実現する。
アプリケーションは開発中であるが、例えばコーヒー製品に記載した「QRコード」を読み取ることで、消費者が製品に至るまでの履歴を把握したり、生産者に直接、感謝の気持ちを込めてチップ等の報酬を送ることも可能になるという。
FARMER CONNECTの運営会社であるFarmer Connect SA社の報道によれば、農家にとってもコーヒー豆生産と支払いの記録が残るため、それを「信用力」とした銀行取引が可能になる。
アプリケーションの一般公開は2020年を予定しており、プロジェクトが順調に進捗した場合、コーヒー産業においてココアやお茶など他の小規模農家による生産物に対象を広げていくとしている。
なお、コーヒー豆のトレーサビリティー確保にブロックチェーンを利用するアイデアとしては、すでにスターバックスによるものがある。スターバックスはマイクロソフトのAzureブロックチェーンを利用しているが、FARMER CONNECTではIBMの食品サプライチェーン用ブロクチェーンであるIBM Food Trustを使用している。
関連:スターバックス、ブロックチェーンによる「コーヒー豆」トラッキングで透明性を強化
参考:伊藤忠:コーヒートレーサビリティプラットフォーム「FARMER CONNECT」の取組について
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