TON Labs幹部、テレグラムの独自ブロックチェーン「TON」の優位性を説明
- テレグラムの独自ブロックチェーン「TON」の優位性
- 人気トークアプリ「テレグラム」の独自ブロックチェーンネットワーク「TON」を開発するTON Labsの幹部は、TONがもたらす真の重要性がコミュニティからも、未だ十分に理解されていないと訴えた。
テレグラムの独自ブロックチェーン「TON」の優位性
仮想通貨業界でも利用度の高いメッセージアプリ「テレグラム」の独自ブロックチェーンネットワーク「TON (Telegram Open Network)」を開発するTON Labsの幹部は、TONがもたらす真の重要性が、仮想通貨コミュニティからも、未だ十分に理解されていないと訴えた。
TON LabsのCEOであるAlexander Filatov氏、並びにCTOのMitja Goroshevsky氏は、メディアCrypto Briefingとのインタビューで、TONが新しいブロックチェーンで達成しようとしていることに対する理解を広めるのに苦戦している様子を語った。
スイスのジェノバを拠点とし、2018年5月に設立されたTON Labsは、TONのコアインフラとオープンソースのエコシステムを開発する独立した開発会社で、開発者向けの一連のツールを提供している。
10月末に控えるメインネットのローンチに先駆け、今月はじめに、テストネットのソースコードを公開し、フルノード、検証ノード、ブロックチェーンエクスプローラーの試行が可能になった。さらに、開発用ツールスイートのパプリックベータ版とiOS対応のα版ウォレットも公開している。
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TONは、複数の「シャードチェーン」をサポートするPoSプロトコルとして、汎用性が高く、毎秒数百万のトランザクションを処理できるスピードと高度のスケーラビリティを達成するよう、設計されているという。
Filatov氏は「TONは市場最速の分散型ブロックチェーンとなる」と主張するが、その技術力の高さについては、ほとんど報道されていないのに加え、テレグラムと混同されることが多く、「人々はTONが何であるかを完全に理解していない」と嘆く。
TONが(ブロックチェーンの)全ての主要課題に同時に取り組んでいるという事実については、まだ誰も報道していないと思う。つまり、スピード、幅広い開発者ツール、既存のユーザーベースへのアクセス、総合的に優れたユーザー体験などの課題だ。
リブラはTONのライバルか
テレグラムのプライベートセールを主導したTON大口投資家の一人、Oleg Jelezko氏は、「ライバル」とみなすフェイスブック社の仮想通貨リブラの進展が滞っていることに、胸をなで下ろしているようだ。
TONは昨年12月に稼働する予定だったが、大幅な遅延によりローンチ日がずれ込んだため、SNSの巨人フェイスブックが主導するリブラに先を越され、優位に立つ機会を失うことを懸念していたという。
しかし、「最終的にはビットコインよりも分散化が進む」であろうTONは、「銀行としての認可なしに、銀行になる可能性をプロモートする」リブラ協会とは、全く異なる価値を構築していると、前出のGoroshevsky氏は説明する。
分散化という点で、TONはすでに規制当局からお墨付きを得たビットコインやイーサリアムと同列に分類されると考えられるため、規制にも準拠しているとFilatov氏は主張している。
少数の適格投資家から17億ドルを調達したプライベートセールに関して、分散化と言えるのかとの質問には、世界中に分散した174のベンチャーキャピタル機関であるため、問題はないとした。
3億人を超えるテレグラムユーザーと繋がる可能性を持つことは、TONの強みであり、Filatov氏は「TONは、ブロックチェーンの歴史の中で最大のユーザー層にアクセスできるようになる。まさに【ゲームチェンジャー】だ。」と述べている。
しかし、良きにつけ悪しきにつけ、世界各国の政府が懸念を表明するほどの嵐を巻き起こしたリブラの注目度に比べると、テレグラムとTONに対する関心度には、大きな開きがある。昨年、大きく注目を集めたプライベートセール以降、テレグラムが積極的な情報発信をしてこなかったことも、影響しているようだ。
TON Labsは、世論は重要ではないが、仮想通貨コミュニティのTONに対する認知度と理解を深めることについては、重要視していると言う。テレグラム同様、匿名性の高い「分散型検閲耐性ネットワーク」を目指すTONが、これから来月末の正式ローンチまでの間、どれほど業界の注目を集められるかは未知数だ。
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