イーサリアム、Ropstenテストネットで一時チェーン分岐 イスタンブール起動時に発生

Ropstenテストネットで一時チェーン分岐
イーサリアムのテストネットワークRopstenで、大型アップグレード「イスタンブール」が起動。予定より二日早かったことで、ソフトウェア更新をしていなかったマイナーの古いチェーンと最新のチェーンの二つに分割が一時発生した。

Ropstenテストネットで一時チェーン分岐

イーサリアムのテストネットワークRopstenで、次回大型アップグレードの「イスタンブール」に際して実施されたアクティブ化が予定より2日早まる形で実行された。

UTCの9月30日午前3時40分(日本時間午後12時40分)にブロック高6,485,846に到達し、テストネット上でのアクティブ化が行われたが、リリースが早まったことでRopstenネットワークが一時二つのチェーンへと分岐した。

イスタンブールハードフォークが予定よりも早くテストネットに実装されてたことで、ノードの更新が追いつかず、Ropstenテストネットで並行した2つのチェーンに分岐したと見られている。

イーサリアム財団のコミュニティ・マネージャーHudson Jameson氏は「テストネットは、こうした事柄を確認するためにある!Ropstenは、分裂が収まるまで不安定な状態にあるので注意してほしい」という主旨のツイートを行い、コア開発者らに対応を呼びかけている。

原因はソフトウェア更新の有無

テストネット上でのアクティブ化は、当初から10月2日を基準に一日か二日ほど前後する可能性が示唆されていたが、実行ブロック到達時に、ソフトウェアを最新バージョンに更新していないマイナーが残っていたことで、古いチェーンと新たなチェーンの二つに一時分裂した。

Jameson氏はこの状況を、「9月30日時点では多くのマイナーがまだ油断していた」と説明。今回の分裂は、「イスタンブール」そのもののアップグレード・コードに欠陥があったものではなく、マイナーにうまく情報が行渡っていなかったことにあるとした。

今回の事例をうけ、コア開発者らは、10月4日にも今回のテストネットでの起動についての意見を交換する予定する。

「イスタンブール」において実装される項目

今回の大型アップグレード「イスタンブール」においては、以下の六項目が実装される予定だ。

  • EIP-152: Blake2 コンプレッションの追加と F プリコンパイルの起動
  • EIP-1108: alt_bn128 プリコンパイルのガス代を削減
  • EIP-1344: ChainID オペコードの追加
  • EIP-1884:トライ構造のサイズに基づいた命令コードの価格調整
  • EIP-2028: Calldata のガス代を削減
  • EIP-2200:SLOADのガス代変更に伴うSSTOREのガス代再調整

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