アルト市場の回復トレンド、仮想通貨取引データが裏付け=バイナンス
1月の仮想通貨市場概況
仮想通貨取引所大手バイナンスのリサーチ部門、バイナンス・リサーチが1月の仮想通貨市場概況を発表。好調を維持したアルト市場を裏付ける現物・先物・OTCの取引状況が明らかになった。
バイナンス・リサーチははじめに1月の仮想通貨市場の好調状況に、株式相場のアノマリー(経験則)の一つ「一月効果」が見られたと指摘した。一月は他の月に比べて、相場が上昇する傾向が見られ、特に小型株で大きな上昇が観測されることが知られる傾向だ。
ほとんどの仮想通貨価格が上昇し、時価総額は1930億ドル(約20兆9700億円)から2,550億ドル(27兆7000億円)に増加、中でもアルトコインの時価総額は約40%増加し、610億ドル(約6兆6280億円)から860億ドル(約9兆3450億円)となった。
主要仮想通貨の中では、DASHが181.5%、ビットコインキャッシュが85.2%と大きく上昇、その他60%台の上昇率となったのは、ライトコイン(65.1%)、カルダノ(ADA 65.1%)、モネロ (XMR 61.7%)、続いてEOSの59.9%となっている。
その他の主要仮想通貨も好調推移を記録した。
ビットコイン:+30.5%
イーサリアム:+39.9%
XRP:+24.1%
XLM:+35.7%
アルトコインの好況で、ビットコインのドミナンスが低下。BTCドミナンスが68%から65%と減少する中で、バイナンスにおけるビットコイン取引ドミナンス(全取引量に対するビットコインを基本通貨とする取引量)も、2.31%低下して38.17%と、アルトコインの取引傾向が強まったという。
主要仮想通貨プロジェクトの動向
主な仮想通貨プロジェクトの動きとしては、イーサリアムの「ムーア・グレイシャー(Muir Glacier)」アップグレードの成功を取り上げた。 このアップグレードによりディフィカルティボムは400万ブロック(約2年間分)先延ばしされ、イーサリアムネットワークのPoSへの完全な移行を助けることになる。
また、イーサリアムクラシック(ETC)のハードフォーク「Agharta」が完了し、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンとの相互運用性が高まることも取り上げられた。
デリバティブ市場の動向
バイナンス先物取引所は、今月、8つの新しい通貨ペアを導入、現在、合計11ペアが提供されている。(新しいペア:XRP/USDT、 EOS/USDT、LTC/USDT、TRX/USDT、ETC/USDT、LINK/USDT、 XLM/USDT、 ADA/USDT)
1月、バイナンス先物取引所の出来高は前月比で85%増加。14日には、1日あたり最高の出来高となる35億ドル(約3800億円)を記録した。
1月のバイナンス先物取引所における1日あたりの平均取引量は17億ドル(約1847億円)、建玉は年初からの1ヶ月間で1億3700万ドルから2億7100万ドル(約149億円から295億円)へと98%増加した。
BTC/USDTペアの無期限契約取引が総建玉の75%を占めているが、アルトコインの無期限契約もこの1ヶ月で250%と急伸、年初の2000万USDT弱から7500万USDTに増加した。
バイナンスOTC取引部門
大口取引専門のバイナンス・トレーディングも「1月効果」の影響を観察したようだ。
BTC価格が1ヶ月で7200ドルから9500ドルに急騰したのに伴い、ビットコインのドミナンスも69%から66%に低下し、アルトコイン市場も好調な回復を見せた。 トレーダーも久しぶりにアルトコインシーズン到来の可能性を感じ、月初めには、通常より多いアルトコイン(時価総額:中〜低)買いの動きが観測されたという。
1月の中盤でビットコイン価格が上昇を続けるにつれ、アルトコインが売られビットコインが買われたが、月末までにはその動きも落ちつきを取り戻した。
このようなビットコインのドミナンス低下とアルトコイン市場の回復がトレンドとして定着するのか、2月の動きが注目されると、バイナンスは結んだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します