速報 FCoin、顧客資産持ち逃げの可能性か 仮想通貨ビットコインの出金履歴が確認
FCoinの出口詐欺疑惑
海外仮想通貨取引所FCoinから顧客資産の出金が長期になるとの報告書が公開されてから1日、新たに「出口詐欺(持ち逃げ)」の可能性が浮上している。
昨日のFCoinの公式ブログで、創業者の張建が公開した「FCoinの真実」という題目のリリース文が公開された。
内容は、経営状況と取引所システム面での改善の見通しが厳しい状況に陥ったことで、7000から13000BTC相当の顧客資産が出金できない状況にあるとするもの。ユーザー側の資金が長期間に渡って返却されない見通しが告げられた。
リリース文では、ハッキングのような不正流出でなく、財政上の問題の上にシステム的な問題が重なったことで、返済を中長期に渡って行うといった「真摯な姿勢」を示していたFCoin。資金にアクセスできないとしていた声明内容とは異なり、コールドウォレットからビットコインが大手取引所に分散して移動されている状況が新たに明らかになった。
業界関係者からは、持ち逃げ詐欺となる「出口詐欺」の可能性が指摘されている。
報告内容
仮想通貨業界の中国事情通Dovey Wanによると、FCoinのコールドウォレットから大量な仮想通貨が多くの仮想通貨取引所に送られている。
とんでもない恥知らずの経営者らだ。このアドレスから、資産が動いている
データによると、資金はOKExやHuobi、ZBやバイナンスといった大手取引所へと送金されており、分散された送金履歴が確認できる。
FCoin側の説明では、システムの復元に時間がかかるため、通常出金のサービスが停止している状態。当該コールドウォレットからは出金が不可能な状況にある。
しかし、このような出金履歴がブロックチェーン上でトラッキングされたことを受け、顧客側への説明と実際の状況が異なる可能性が生じている格好だ。
Doveyがリサーチをした結果、最後にFCoinから出金が行われた時間が2月14日。この後はコールドウォレットは空になったという。具体的な経緯はこのようになると指摘している。
- 2月10日、チームの独自通貨FTをすべてバーン
- 10〜11日、顧客がFT価格上昇を狙い、入金
- 11日、FCoinはメンテを発表
- 14日〜17日、コールドウォレットの資産を全て出金
バイナンスのCZもFCoinの事案を受け、SNSで詐欺であると避難。「名指して非難することはほとんどしないが、2018年当初私はFCoinがネズミ講であると警鐘を鳴らしていた」と語った。
FCoinは現在、顧客の出金申請をメールを介して受け付けているが、今後この資産が返却されるかどうかが焦点になる。返済に充てる資金は、取引所の利益などのほか、張建本人の持つ資産などから拠出するとしている。
中国のトラッキング企業「北京链安」の分析によると、FCoinのこれまでの資産規模は、11509BTCに及ぶ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します