台湾HTC、仮想通貨ビットコインのフルノード対応ルーターを発売へ
ブロックチェーン技術を活用したルーター
台湾の大手電子メーカーHTCが、ブロックチェーン技術を活用したルーターの開発を行っていることが分かった。
ルーターとは、パソコンやスマートフォンなど複数のデバイスをインターネットに接続する時に利用する機器。HTCが開発中のルーターは、自宅で仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)のフルノードを立てられる機能を持つ。
名称は「EXODUS 5G Hub」で、Q2(4月から6月)にローンチされる予定。開発の目的は、ユーザーにハードウェアウォレットでキーを保管させることによって、ホーム運用でのプライバシーを強化することだ。
HTCの責任者Phil Chen氏は、Alexaを開発したAmazonやGoogleのNest、またAppleやフェイスブックなど、スマートデバイス市場を支配しようとする大手IT企業に対抗すると説明。GAFAによる個人情報の独占を防ぎ、ユーザーのプライバシー保護を強化する狙いだ。
開発中のブロックチェーンルーターは、HTCのハードウェアを利用した鍵管理用のプラットフォームを利用し、プライバシーを強化。ユーザーはサードパーティに頼らずに取引を伝達することができるという。また同時に各ユーザーが、他者の取引の伝達をサポートすることによって、全体のセキュリティが維持できる仕組みになっている。
EXODUSの名はブロックチェーンスマホで知られている。最初のモデルであるEXODUS1は2018年にリリース。その後昨年10月にBTCのフルノードも立てられるEXODUS1の安価版EXODUS1sを発表している。さらに仮想通貨取引所バイナンスの限定モデル「HTC EXODUS1-Binance Edition」もローンチした。
Chen氏は「スマホとの連携は、仮想通貨の普及拡大には不可欠だ」と説明。一方、ルーターは顧客の別のニーズに応えたもので、持ち歩くのではなく家での利用に特化している。「家はプライベートな場所だ。しかし現代は便利になって音声でデバイスを操作したり、カメラを使うようになって、そのプライバシーが脅かされる危険がある」と語った。
「EXODUS 5G Hub」は、プライバシー強化型ブラウザーの「Brave」やメールサービスのProtonMailなど、多くのプライバシー対策アプリが統合。またバイナンスや分散型金融(DeFi)のCompoundやUniswapなど、多くのパートナーも協力している。
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