主要24仮想通貨の送金件数、過去10年間で「31億件」に 譲渡対価は計482兆8300億円相当
10年分のトランザクションデータを集計・分析
2009年のビットコイン誕生以来、仮想通貨の成長は目を見張るものがあるが、その実態を数値化する試みに、ブロックチェーン・トランザクションデータツール開発のスタートアップBlocknative社が挑戦、その結果を公開した。
米サンフランシスコに拠点を置くBlocknative社は、米ブロックチェーンデータ分析企業Coin Metrics社の協力を受け、24のブロックチェーンネットワークで、2009年から2019年の10年間に処理された全てのトランザクションを集計する調査を行った。
同社によると、このような集計調査は業界初の試みだと言う。
調査の対象となった仮想通貨(パブリックネットワークに限定)は、以下の通り。
ビットコイン、ビットコインキャッシュ、ビットコインSV、ビットコイン・ゴールド
イーサリアム、イーサリアムクラシック
XRP、ライトコイン、EOS、トロン、ステラ、ドージコイン
モネロ、Zcash、DASH、Verge
バイナンスコイン、テザー、Tezos、
Neo、Decred、Waves、DigiByte、GAS
Blocknative社はこの調査結果は、「驚き、ワクワクさせられ、心強い」ものだと総括した。
仮想通貨の成長が目に見える形に
過去10年間の対象仮想通貨におけるトランザクション総計は31億を超え、その譲渡対価の合計は4兆6000億ドル(約482兆8300億円)に上ると言う。 この譲渡対価の96%は、2017年から2019年の間に発生したトランザクションによるものだが、この3年間における仮想通貨価格の上昇を考えると納得が行く結果だと言えるだろう。
特筆すべきは、2019年1年間で、過去10年間の総計の37%にあたる11億を超えるトランザクションが発生していることだ。 そのうち、ビットコイン取引は2億5920万件、イーサリアムは2億4280万件で、その合計は対象仮想通貨全ての年間トランザクション総計の44%を占めることになる。
今後5年間の推測
調査で得られた数字を基に、5年間のスパンで見た仮想通貨エコシステム全体の平均複合成長率を計算したところ、44%という結果となったという。 この数字を用いて、今後5年間のトランザクション数を推測したのが下のグラフ。
「5年間で44%の平均複合成長率」というトレンドが持続すると仮定した場合、2023年の時点で、ビットコイン、イーサリアム、そして、おそらくEOSが年間10億トランザクションを超えることになると予測している。 また、今後5年間で対象仮想通貨の総計では、約200億トランザクションが見込まれることになる。
ただし、これはあくまでもブロックサイズの制限など、他の諸条件を考慮に入れずに、単純に計算した結果であり、鵜呑みにしないようにと、レポートは忠告している。
出典:blocknative
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します