ビットコイン詐欺、YouTubeで広告掲載 ジェームズ・ボンドなど著名人の名を利用した巧妙手口
ジェームズ・ボンドを仮想通貨詐欺に利用
ジェームズ・ボンド役で有名な俳優のダニエル・クレイグ氏の名が、ビットコイン(BTC)詐欺に使われていたことが分かった。実業家のイーロン・マスク氏の名前も本人の許可なく使用されていた。
ダニエル・クレイグ氏は、2006年より人気スパイ映画「007」シリーズで主役のジェームズ・ボンドを演じた著名俳優。出演する最新作「No Time to Die」も上映が控えている状況だ(コロナウイルスの影響で一時延期)。
詐欺師はYouTubeで、映画延期に関する記事を宣伝。広告をクリックした視聴者をクレイグ氏の偽インタビューへと誘導させているという。
具体的には、少なくとも4か月以内に、億万長者になることができると騙う自動取引ロボット「Bitcoin Era」を販売する誘導ページで、支持する著名人に実業家のイーロン・マスク氏やビル・ゲイツ氏、リチャード・ブランソン氏の名前があがった。クレイグ氏については、記事タイトルにも利用されて、Youtube広告が流れているという。(以下、記事タイトル)
「スペシャルリポート:007で知られるダニエル・クレイグ氏の助言に従った英国人は、自宅で何百万も稼いでいる」
こうした有名人の名を利用しながら、詐欺の記事は「彼ら技術分野の天才達は」「現在、彼らは富の不平等という世界的な問題に取り組んでおり、裕福な人でも貧乏な人でも、幸せで充実した人生を楽しむのに十分なお金を稼げるような仕組みを作っている」と宣伝した。
YouTubeは、「Bitcoin Era」の広告をすでに削除したとみられるが、同広告はYouTube以外の場所でもインターネット上で広く展開されていたと報告されている。
こうした広告に騙される人がいるのだろうかと首を傾げたくなってしまうが、有名人の名前を挙げて信ぴょう性を高めるのは詐欺の常とう手段でもある。
ケニアの有名実業家クリス・キルビ氏やプロの伝説的なプロのサイクリストであるピーター・セーガン氏も、「ビットコイン革命」と呼ばれる同様の詐欺プロジェクトに名前を流用された。
「安全・簡単・儲かる」には注意が必要
今年2月に、ベルギーの金融サービス・マーケット機関(FSMA)は詐欺の疑いがある仮想通貨関連のウェブサイトを新たにブラックリストに追加した。
その際、FSMAは詐欺を見分ける法則について、詐欺サイトは「安全・簡単・儲かる」を売り文句にしていることが多いと注意喚起した。
特に、仮想通貨についての詳しい知識は不要である、または、専門家が顧客の資産を運用すると主張するサイトには警戒を呼び掛けている。
詐欺の手口は万国共通である部分が多く、日本でもインターネットを利用して簡単に稼げるとして消費者を騙す詐欺は多い。「安全・簡単・儲かる」を強調するプロジェクトや、有名人の名を騙るプロジェクトには注意したい。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します