「ビットコイン半減期」が一転 仮想通貨市場の懸念材料になる可能性

コロナショックと半減期の「ダブルパンチ」

新型肺炎(コロナウイルス)による記録的な金融市場の動向は、ビットコイン(BTC)市場にも多大な影響を与えていることは言うまでもないが、仮想通貨企業の業績にも波及する懸念が早くも生じている。

特に、BTC価格の急落が業績に直結するマイナー収益をひっ迫。5月には、マイニング報酬のBTCが半減する「半減期」が迫るなど、事態は深刻との見方も出てきた。

BTC価格が回復する見通しが立たなければ、仮想通貨マイナーはコロナショックと半減期のダブルパンチを食らう恐れがある。

「コロナショック」で一部マイナーが採算割れか

世界的な新型コロナの感染拡大を受け、混迷を極める世界経済。株や為替市場はリスク回避姿勢を強める形で、影響はビットコインも含めた金融市場全般に波及した。為替市場やダウ先物にも影響を及ぼす「指数売り」との相関が強めたビットコイン市場は、先週末の急落後も上値を重くボラタイルな相場を継続している。

前週比40%近い急落で、現物市場価格は60万円近くで推移。安価なコストとマシン供給ラインが確保できない一部のマイナーから、収益性が赤字に転落。稼働を停止した懸念が生じている。

マイナーは、基本的に採算がマイナスに転じたケースでは、例外を除いて稼働を停止する(赤字で掘り続けない)ことが過去事例やマイナーの証言から明らかになっている。blockchain.comによると、BTCのマイニング計算力を表すハッシュレートは、3月13日に前日比約20%減となった。

マイナーの損益分岐点は?

マイニング収益は、マイニング地域の電気代を含むコスト感やマイニング規模、使用するマイニングマシンによって、大きく損益分岐点に差が生じる。(留意点でもある)

損益分岐点の参考価格:マイニングプール「f2pool」が発表した試算によると、旧型モデル「Antminer S9」を使用した場合、損益分岐点は1BTCあたり7,518ドル(約80万円)。仮想通貨リサーチ機関TradeBlockの分析によると、最新モデル「Antminer s17 +」を使用した場合、1BTCあたり6,851ドル(約73万円)。

いずれにせよ、現在のマイナーの平均損益分岐点は1BTC 70万円から80万円と試算され、一部のマイナーは、今回の暴落で一時的に採算割れをしていることが推測される。

「BTC半減期」も価格下落続けばマイナーに打撃

さらにマイナーの頭を悩ませるのは5月のBTC半減期だ。

これは、半減期後にマイニング報酬として新規発行されるBTCが半減することで、より収益への影響が懸念されることが理由に挙がる。BTC価格が大幅に上昇しなければ、より多くのマイナーが赤字に転落する恐れがある。

採算割れによって撤退するマイナーが増加すれば、採算ラインを抑えられる大手マイナーにBTCネットワークが寡占化され、セキュリティリスクが高まる。2018年に見られたマイナー撤退と取引価格の続落といった、負のスパイラルを再現する可能性も懸念される。

一方で投資家から見れば、半減期はBTCの希少性が高まる絶好の投資機会だ。過去2回の半減期後には、BTC価格が大幅に上昇した歴史もある。

半減期後にBTC価格が上昇すると信じることができれば、マイナーは短期的に赤字を計上してでもマイニングを続けるだろう。マイニング報酬のBTCをしばらくの間貯蓄しておけばよいからだ。

重要なのは、マイナーが今後の価格上昇のストーリーを描けるかどうか。金融市場動向と合わせて、2ヶ月と迫る半減期も、違う側面から重要な材料として注視されることが予想される。

金融市場動向

米連邦準備制度理事会(FRB)は16日の臨時会合で、政策金利を一気に1%引き下げ、事実上のゼロ金利政策に踏み切る方針を決定。米短期国債と住宅ローン担保証券(MBS)を7,000億ドル(約75兆円)買い入れる方針も明らかにした。

一方、ダウ工業株30種平均など株価指数先物が下落。金融緩和で景気を下支えする姿勢を示したものの、事前の利下げ予想から織り込み済みと見られ、材料出尽くし感で売りに傾いた。金融市場も、下落に歯止めがかからない状況だ。

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仮想通貨市場は16日、日本時間6時にビットコインが急騰。56.4万から64.5万円まで、約1時間で8万円を超える上げ幅を記録した。
直近では、株や為替の影響や指数売りとの相関が強まっている仮想通貨ビットコイン市場。半減期を前にしたBTC価格の急落で、BTCマイナーの損益分岐点についても再び関心が集まっている。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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