日本酒の偽造品対策で「SAKEブロックチェーン」 EY Japanが計画

「SAKEブロックチェーン」で日本酒を追跡

世界4大会計事務所の一つであるアーンスト・アンド・ヤングの日本支社EY Japanが、日本酒や果物を追跡して、偽造品の販売を防ぐブロックチェーンシステムを構築する計画を発表した。

消費者は、ボトルのラベルに印刷されたQRコードをスキャンすることで商品の詳細な情報を閲覧することができる。情報は英語、韓国語、中国語の3つの言語で用意されているという。

この「SAKEブロックチェーン」は、日本製品のサプライチェーン全体の完全な情報を追跡・記録し、生産地や配送手段などに関する情報も含む仕組み。日本酒の成分や醸造所に関する詳細情報も、ブロックチェーン上で更新される。

EY Japanは、新型コロナウイルスの脅威が去り、ビジネス環境が安定次第、アジアで「SAKEブロックチェーン」を展開する見込みだという。

偽造品や温度管理の問題を解決

SAKEブロックチェーンの背景には、日本産果物と日本酒の、海外への輸出量が増加したことがある。 2019年、海外市場で日本酒への需要は5.3%増加して2億2300万ドル(約247憶円)になった。また、過去数年間で日本産果物の輸出量は3倍になった。

しかし、偽造品の問題があり、偽物の日本酒はアジア全体で広く流通、多くは本物の日本製ブランドと同じ価格で販売されている。高級品でも安価な製品でも同様に偽造品が見られ、ボトルデザインも精巧に作られているという。

ブロックチェーンにより酒の生産地を確認することが出来れば、偽造品と差別化することに役立つ。

また、ブロックチェーンは温度管理にも役立つ。日本酒の品質を良好に保つ最適温度は5度とされるが海外では、ほとんどの配送業者やレストラン、小売業者は適切な取り扱い方法を知らない。

ブロックチェーンは、サプライチェーン全体で詳細な温度記録を保持することで、この課題の解決策となる。

さらにブロックチェーン上の記録は、酒造メーカーがターゲットを絞ったマーケティングキャンペーンや効率的な生産ペースについての洞察を得るためにも使用できる。

欧州でワイン管理のブロックチェーンも

EYがブロックチェーンを使用して酒類をトラッキングするのはこれが初めてではない。昨年5月に、同社は独自のDLTプラットフォームをBlockchain Wine Pte.Ltd.に提供。

Blockchain Wine Pte.Ltd.は現在、アジアの市場で欧州ワインの信頼性、サプライチェーン、および含有成分を追跡・記録している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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