世界経済危機でオンライン金購入が記録的水準、ビットコインはデジタルゴールドになり得るか?

ビットコイン(BTC)市況

28日の仮想通貨ビットコイン(BTC)は、前日比0.83%安の82.8万円(7700ドル)に。

国内上場個別銘柄では、リスク(LSK)が前日比7.28%高、ステラ(XLM)が前日比9.13%高。

ビットコイン(BTC)が現在推移する価格帯は、昨年末にもみ合いの末上放れした逆三尊のネックライン付近にあり、上値の抵抗線となっている。

8,200〜8,400ドルの抵抗帯や日足移動平均線の100MA、200MAがともに8,000ドル付近に位置する中、まもなく半減期を迎えるBTC価格への需給関係が注目される。

ゴールドとデジタルゴールド

貴金属投資大手BullionVaultは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生した今年3月、金地金現物を購入したブリオンボールトの顧客数が前月比113.9%増となったことを明かした。3月に口座開設し金を購入した顧客数は、過去12ヶ月平均の468.45%に達したとしている。

金チャート

金相場の店頭取引である米ドル建て「金スポット(XAU)価格」の過去15年チャートを確認すると、過去最高出来高を大幅に更新しており、新型コロナの影響で先行き不透明な世界経済や株価を嫌気した投資家の資金が、安全資産の金(ゴールド)へと逃避していることがうかがえる。金価格が上昇すれば米ドルが下がるという相関関係が認められるものだ。

オンラインの金取引を強みとする同社は、欧米圏の新型コロナの影響で地金や金貨を販売する小売店が利用できない状況において、顧客数を大幅に拡大している。対面型の実店舗では、移動制限により在庫補給にも影響が生じているという。

BullionVaultのロバート・グリン最高経営責任者は、以下のような見解を示している。

経済活動の停滞からも、株価暴落時に投資家が貴金属に資金を逃避することは理解できる。金(ゴールド)に対して「本質的な価値がない」とする人は、歴史的に様々な文化の人々が、富を蓄えるために、そして支払い能力を温存するために利用していたことを見過ごしている。現物地金は、それ自体が消失することもなく、国債や法定通貨のように意図的に作り出せるものない。

新型コロナに関して一刻も早い終息を願うが、このような状況が継続し、株価や不動産価格に影響を与える間は、金・銀・プラチナ地金への需要は増加していく。

ノーボーダーで国籍がなくどこの国でも同じような価格で換金できる、中央集権が埋蔵量をコントロールできないという意味では、発行体が存在せずアルゴリズムで採掘上限が定められ、デジタル・ゴールドとしての性質を有するビットコイン(BTC)にも同様のことが言えるとの指摘もある。

米資産運用会社VanEckは今年1月、The Investment Case for Bitcoinと題したレポートを公開。恒久性、希少性、匿名性を有するビットコイン(BTC)は、すでに貨幣的価値を持っており、デジタル・ゴールドとしてのポテンシャルを秘めていると指摘した。

米最大手仮想通貨取引所コインベースは、ビットコイン(BTC)について「過去10年間、国際経済の不確実性の高まりの中で大幅に上昇した。」と指摘。5月上旬に予定される12.5BTCから6.25BTCへの採掘報酬の半減期を経て、供給量が年間で1.7%に減少することでデジタル・ゴールドとしての性質が強まると言及している。

bullionvaultのデータによれば、金を中央銀行の金融政策、政府の財政状況、不安定な金融市場の保険と考える投資家が多い中、資産の保管手段として30世紀以上の歴史を持つ金(ゴールド)は、希少性で言えばプラチナの6倍、銀の18倍に達するほか、世界最大の金生産国であった南アフリカの採掘量は、過去10年間に半減。2008年以来、1オンスの金(ゴールド)の採掘コストは増大している。

参考:BullionVault

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデータで、ロシアと中国は対米ドルのヘッジの一環として、数年前より金(ゴールド)の保有量を大幅に増加させている。ブルームバーグによれば、ロシアは過去5年間、400億ドル(約4兆3400億円)余りを投じていたが、4月1日から金購入を停止している。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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