ビットコインの欠点補う「仮想通貨×ゴールド指数」に新たな可能性
仮想通貨とゴールドを組み合わせたインデックス誕生
英CoinSharesが、新たに仮想通貨と金(ゴールド)のマーケット価格を組み合わせたインデックスを組成。大手金融メディアのブルームバーグターミナルでも採用されたことがわかった。
新型コロナ危機が経済へ影響を与える中で、仮想通貨ビットコインと金(ゴールド)が逃避資産として比較されることが増えている中で、新たな基準指標を提供する。
仮想通貨×金のインデックスを基準とした投資商品も計画、金融危機へのヘッジ手段として、投資家にポートフォリオの多様化を提供する。
インデックスの名前は「CoinShares Gold and Cryptoassets Index(CGCI)」で、現時点の組成比率は、31.75%が仮想通貨で構成され、残りの68.25%は金が占めている。
仮想通貨についてはその時々で時価総額が5位までにランクインする仮想通貨を選び、毎月調整する。
CoinSharesの発表した仮想通貨の選択基準は以下の通りだ。
- 米ドルでの取引が行われている
- 法定通貨の価値にリンクされていない
- 信頼できる取引所で少なくとも6か月の取引履歴がある
- ERC-20トークンではない
- ネイティブブロックチェーンを少なくとも6か月間使用している
- プライバシー重視のコインではない(例:Monero、ZCash)
- 過去6か月間に大規模なチェーン再編を経験しておらず、次のインデックス調整タイミングまでに、問題の多いハードフォークが行われない
時価総額上位5位の中から、基準を当てはめて選択が行われる。
金の価格安定性とビットコインのボラティリティを補い合う
今回のインデックスは、ビットコイン等のデフレ的性質に金融業界から注目が集まる一方で、懸念される投機性が強く、ボラティリティが高い点を補う仕組みを、金と組み合わせるインデックスで解決しようとしている。
CoinSharesによると、インデックスは2つの資産クラスの特徴、すなわち仮想通貨の高いボラティリティ、金の低いボラティリティ、また2つの間の相関の欠如を利用している。
金を使用してリスクを最小限に抑えて、仮想通貨への投資リスクを軽減しつつ、投資家にポートフォリオの多様化を提供する。CoinSharesはインペリアルカレッジロンドンとも共同調査を行い、当該インデックスを用いれば、単に金または仮想通貨を単独で保持するよりも「リスク調整後のリターン」を向上可能になると結論付けた。
ボラティリティとデフレ的性質
ビットコインについては、デジタルゴールドとしてのポテンシャルを持つが、ボラティリティの高さが課題だとして指摘されてきた。
ポテンシャルについては、米資産運用会社VanEckも今年1月のレポートで、「恒久性、希少性、匿名性を有するビットコイン(BTC)は、すでに貨幣的価値を持っており、デジタル・ゴールドとしてのポテンシャルを秘めている」と説明した。
ビットコインは総発行枚数を2100万枚に制限されており、今月に迎えた半減期以降、インフレ率は2%未満に減少。供給量減少に伴うデフレ的性質にも注目が集まる。
一方、課題と指摘されるボラティリティについては、ベンチャーキャピタル Social CapitalのChamath Palihapitiya CEOも、コロナ危機による金融緩和でますますビットコインは「安全な逃避資産」として見直されるとしつつも、現在のビットコインはボラティリティが高く、あまりに投機的であることが課題だと指摘している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します