金融庁が仮想通貨資金調達法ICOの規制を検討/2017年実施ICOの状況とは
- 金融庁がICO規制を検討
- 2017年のICOに関する注意喚起に続き、投資家の保護を観点に、新資金調達の規制へ踏み切り、関係法令の改正も視野に動く模様です。
- 2017年のICOは半数が失敗に終わっている?
- 先日発表されたTokendateの情報を元に作成されたレポートにて、2017年のICOは半数近くが詐欺まがいのものであると報告されました。
金融庁が仮想通貨での資金調達方法ICOの規制を検討していることがわかりました。
ICOはInitial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファリング/新規仮想通貨公開)の略で、取引所に上場していない新規の仮想通貨を発行し、販売することで開発費や研究費を調達する、という仕組みです。
株式でいうIPOに似た仕組みを持ちますが、世界的に法規制の枠組みが整備されておらず、特定機関を通さずに世界中から資金調達を行うことができる次世代の資金調達方法として、注目されています。
特に2017年ではICOバブルと言われるほど、ICOが盛んに行われましたが、国によっては法規制が行われていないことや誰でもICOを実施できる環境から、詐欺まがいのプロジェクトや、資金調達後にチームごと音信不通になるなど、問題も続出していました。
2017年のICO失敗率
先日発表されたTokendateの情報を元に作成されたレポートでは、2017年に行われた902のICOの中で、142件が資金調達自体に失敗し、276件が資金調達後に詐欺と判明したものや、消息が断たれるなどしています。
このように、完全に問題とされるICOだけで46%と約半数が該当しますが、このほかにも『準失敗:Semi-failed』に該当するICOも113件あり、これらを含めた場合の2017年のICO失敗率は、902件中531件で実に59%に該当するとされます。
該当するICOの資金調達額は、合計で約250億円(2億3300万USD)になります。
About Half of 2017’s ICOs Have Failed Already
参考記事はこちらから
日本のICOと金融庁について
金融庁は2017年のICOの状況から、昨年の10月27日に公式文書『利用者及び事業者に対する注意喚起』で、ICOに関する注意喚起を呼びかけていました。
ICOにおいて発行されるトークンは資金決済法上の仮想通貨に該当することから、仮想通貨交換登録事業者は、各財務局への登録が必要になるとしています。
また今年に入ってから、金融庁は監視の目を強め、日本での仮想通貨交換業者登録をしない事業者の日本でのICO勧誘に対しても警告を出していましたが、明確なICOに関するガイドラインの制定する法律はなく、継続して日本でもICO勧誘が確認されていました。
このような状況の中、2017年の注意喚起に続き、投資家の保護を観点に、新資金調達の規制へ踏み切り、関係法令の改正も視野に動く模様です。
詳しくは、以下の記事をご確認ください。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します