仮想通貨市場、ビットコイン続落 アルト銘柄も利確売り優勢に
ビットコイン急落で、仮想通貨市場全面安
4日の仮想通貨市場で、ビットコインの下落幅が-5%を超え、1ヶ月ぶりに米ドル建11,000ドルラインを下回った。
個別に騰勢を強めたアルトコイン銘柄も、BTCのダウントレンドによる連れ安を警戒して売りが先行、全面安相場の様相にある。
経済の不透明性を背景に、ドルの代替投資先として注目されてきたビットコインや金市場も、ドルの買い戻しや、コロナショック前水準まで戻した日米の株式市場の堅調な推移が相場の重しとなった。
米国時間3日には、米株式市場でダウ工業株30種平均の下げ幅が一時1000ドルを超え、投機性の強さが見られたハイテク株を中心に、利益確定売りも見られている。
金融緩和に伴う“金余り”で、異様な上昇となった株式市場も将来的な大きな調整を警戒するなど、相場は先行きに不安定感を示す見方も出てきている。
仮想通貨市場との関係性については、TradeBlockのリサーチ責任者John Todaroも投資家の傾向に類似性を指摘した。
株式を売る投資家はおそらく仮想通貨も売っている。
本日最も下落していたのは、FAANG(Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Google)と、テスラのハイテク株だ。継続的に下落するサインは明確ではないが、仮想通貨市場にも同様の売り圧力が加わるだろう。
ーJohn Todaro
ビットコイン関連では?
一方、ビットコイン関連では、過去の市場急落前に見られる傾向でもある、マイナーから取引所へ送られる多額のBTC送金が確認されている。
仮想通貨データのモニタリングと分析を行うCryptoQuantは3日、急落前にBTCの大口入金があったことを報告した。
データによると、大手マイニングプールのF2Pool、Poolin、Slush、HaoBTCが2日から取引所へ送金が増加、計1,630BTC(約19億円相当)のインフローが記録された。
報告によると、マイナーとの関連性は指摘できないものの、その後も複数回1,000BTC以上の取引所入金も確認されたとしており、大口が利益確定売りに動いた可能性も示された。
過去の傾向からも、マイナーや大口トレーダーが取引所へビットコインを送金するケースは、売りサインと見られる。「マイナーは2日から、取引所へ異常な数のビットコインを送金していた」、とCryptoQuantは警戒を示した。
DeFi銘柄でも
また、ビットコイン同様に大幅下落となったイーサリアム関連の市場は、投機性が強まったDeFi(分散型金融)セクターを中心に売りが加速した。
特に、高い「イールド・リターン」を謳う「食物系プロジェクト」が横行している。先月のYam(芋)イールドファーミングをはじめ、Uniswapからハードフォークした「SushiSwap(スシ)」や、「SushiSwap」からハードフォークした「KimchiFinance(キムチ)」、さらに「Hotdog.Swap(ホットドッグ)」などが相次いで誕生。これらのプラットフォームは、ローンチする際に、スマートコントラクトのコードはすべて監査されずに稼働していたため、預ける資金の安全性や、ガバナンストークンのリリースにおけるインフレ率とトークンの価値の関係性や、投機先行相場の可能性が警戒された。
昨日ローンチしたばかりのHotdog.SwapのガバナンストークンHotdogは、わずかの5分間で、4000ドルから1ドルに暴落するなど、異様な値動きも観測されている。
過熱感を帯びていたDeFi市場では、主に仮想通貨イーサリアム(ETH)やステーブルコインが流動性プールに預けられていたため、市場警戒とともにETHのロックを解除し、プールから撤退していることも確認。全体ロックバリューを追跡するDeFi Pulseによると、8月末に記録された数値は95億ドルだったが、現在91億ドルまで、約4億ドル相当の撤退が確認されている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します