
イーサリアムの購入を継続へ
今年6月に暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)戦略への転換を発表した米ビットデジタル(Bit Digital)は14日、2025年2Q(4月から6月)の決算を発表した。
この期間にビットコインマイニング事業からイーサリアム専門のトレジャリー・ステーキング企業への転換を開始したと述べ、6月末時点で3万0,663ETH、8月11日時点で12万1,076ETH(750億円相当)保有していると報告。そして、これからも資金の大部分をイーサリアムの購入やステーキングに費やしていく計画だと説明した。
25年2Qの収益は2,570万ドル(約38億円)で、前年同期比で11.7%の減少だった。減少の主な原因は、イーサリアム戦略への転換に伴ってデジタル資産のマイニング収益が減少したことだと説明。一方で、他の事業の成長で部分的に補えたとしている。
そして、25年2Qの純利益は1,490万ドル(1株あたり0.07ドル、約22億円)。前年同期は1,200万ドルの純損失で、前期もマイナスだったため、黒字に転じたことになる。
同社は他にも、マイニング事業、クラウドサービス、コロケーションサービスの収益についても説明した。
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ステーキング収益
これらの事業の収益に加え、ビットデジタルはイーサリアムのステーキング収益も報告している。25年2Qのステーキング収益は40万ドル(約5,870万円)で前年同期比2.3%減。25年2Qのステーキング報酬の増加は、イーサリアムの価格が下がったことで相殺されたと説明している。
また、2Q末時点で約2万1,568ETHをステーキングしているとし、この期の実効利回りは年3.1%だったと報告。一方で、8月11日時点では10万5,015ETHをステーキングしているとも説明した。
以下、今回の発表に記載されたビットデジタルのSam Tabar CEOのコメントを一部抜粋する。
我々の目業は、公開市場で最大規模のイーサリアムのオンチェーンバランスシートを構築すること。また、株主のために魅力的なステーキング報酬を生み出すことである。
我々は2021年からイーサリアムを保有し、長期的な価値を堅く信じており、この目標はトレンドを追求しているわけではない。
これから、慎重にリスク管理を行いながら、事業の利益や資本市場における様々な手段も活用し、リターンを最大化していく。
14日に一時3.18ドルまで上昇したビットデジタルの株価の15日の終値は3.01ドル。前日比でマイナス5.64、前月比でマイナス14%となっている。
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